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死神少女はどこへ行く  作者: ハスク
肆―ひび割れの魂―
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死神少女の逆鱗

【ブラウェイン王国 シルフの森】

キングに殴られたオークは三人の人間を捕まえるべく部下を連れていく。


「タイチョウ、コレヲニンゲンニツカウノデスカ?」


配下のオークが持っているのは手の平サイズの玉だ。


「モチロンダ。アイツラハフツウジャナイ、シュダンハエラベナイブヒ。」

「シカシコレハマモノニツカウヤツデスゾ。」

「カンケイナイ。キングサマノタメニハナニヲシタッテユルサレルノダ。」


後がないオークは魔物に使うべき代物を持ち出していた。

もう油断はしない、最初の一発で一気にけりをつける。













「見て!看板があるってことは出口も近いよ!」


ハンナの見つけた看板には王都への案内標識が書かれていた。

そして道らしきものもある。


「王都へ着いたらパンが食べたい。」

「あ、私もメロンパンが食べたいな。」


エミリアとレイラは食欲に忠実だった。

肉も悪くないがやはりふわふわのパンは捨てがたい。

レイラは元々肉食のはずだがエミリアに感化されつつあるようだ。


「……妖精たちは来ても大丈夫なの?」


白い光はただふよふよ漂う。


「んー…………やっぱり言葉わかんない。」


レイラは妖精の言葉をわかろうとするがやはりダメだった。




「…………。」


エミリアは無言でプレートナイフを引き抜くと二人も戦闘体勢に入る。


と、三人の前に丸いものが投げ込まれた。







直後それは弾け赤い粉末を大量にぶちまけた。


「うっ…………?!」

「きゃああ!!」

「あ゛ぁ゛!!!?」


玉の中身はこの地方で使われる香辛料を調合したものだ。

独特な臭いは人間は平気だがウルフ系統の魔物が退散するくらいに強烈なのだ。



ハンナは並の人間より嗅覚が優れる。

まともに嗅いでしまい気絶してしまった。


レイラは粉末が目に入ったらしくパニックを起こしていた。


エミリアもまともに受け視界を奪われた。

なんとか感じる殺気を頼りにプレートナイフで立ち向かう。


感じる殺気は五つ。

自分に三つ来ている……こいつらをなんとかしないと。


しゃがんで目の前を凪ぎ払う。


「ギャア!!」


手応えあり。

振り向き縦に斬る。


避けられた。


「あうっ!!」

「ウグァッ!!」


背中を殴られた、振り向き様高めに斬って手応え。

一人負傷の一人撃破。


こいつは多分負傷していない、斬


「あっ!?」


突き飛ばされ、倒れた。

上に何かが乗ってくる……不快。


プレートナイフをとにかく突き刺す。


「はっなっれっろっ!!」


顔にオークの血らしき物がかかるが気にしてられない。


やがてオークが動かなくなると同時に視界が戻ってきた。








嘘…………







レイラとハンナがいない…………







代わりに二つの絶命したオークと怪我をしたオーク。

何やらゴーグルのようなものを付けていた。




エミリアの中で何かが切れた。





「二人をどこにやったの?」

「ゲフッ……キットキングサマヘノオミヤゲニナッテルハズダ。」

「キング?どこにいるの?」

「ダレガオシエル」


オークの右手首が切断される。


「ど、こ、に、い、る、の?」

「ウ……グッ…………!!」


オークの足の指が一本ずつ切られる。


エミリアの顔は血塗れだ。

大きく目を見開いている。


「言え。」


オークが何か言う前に腹にナイフを刺していく。


「言わないともっと痛いよ?」


ナイフが無くなりそうだからと手頃な大きさの枝を刺し始めた。


「…………片足、無くても歩けるよね?」

「ワカリマシタイイマスゥ!!」


このオークにとって一番怖いものがエミリアに変わった瞬間である。




オークの背中にプレートナイフを押し当てて案内をさせる。








絶対に助ける。

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