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死神少女はどこへ行く  作者: ハスク
拾参 ―黒き神の子―
157/174

死神少女の犠牲者達

【砂漠の町ゴドゴゴ】

第二回戦第一試合

経過時間 23秒 

勝者:エミリア・ルーベンス

敗者:ブランコ・スミンド

決まり手 一刀両断


第三回戦第一試合

経過時間 4秒 

勝者:エミリア・ルーベンス

敗者:デオ・チデス

決まり手 斧による斬首


第四回戦第一試合

経過時間 16秒 

勝者:エミリア・ルーベンス

敗者:ビクスン・マッドガ

決まり手 投げナイフ喉命中






その後の試合も砂漠の民が相手となったが何れもなすすべ無く殺害されていった。

常設の蘇生魔法陣により復活はしたが深いトラウマまでは治すことは出来なかった。


そんな報せを聞いて部族長のセルジオは苦い顔をした。


「あの子供を甘く見すぎていたか、くそっ!」


机を叩いた振動でワイングラスが倒れ中身が零れたがセルジオには気にする余裕は無かった。


砂漠の民は戦いによって生きてきた。

それが年端も行かない外国の少女に抵抗する間もなく殺害された。

部族の誇りを穢されたのは耐えがたいことだ。


部屋に貼られたトーナメント表には敗者の名前が消されていた。




今回の参加者は全部で128名。

半分以上は砂漠の民、勝ち残ったのは………ほとんどが外国人だった。


エミリア以外にも警戒すべき者が現れたのだ。



異界人と思われる冒険者。


アズマ出身のサムライ。


戦い慣れしているはずの砂漠の民を簡単に突破したこの二人は特に危険だ。


そして順当に行けば二人ともエミリアと戦うことになる。





大闘技場から歓声が聞こえた。


犠牲者が増えたらしい。










大闘技場の控え室でエミリアは再び賞賛の嵐を受けていた。

数秒で砂漠の民を4人殺害、これは史上初めてのことで観客の熱気はかつて無いほど高まっていた。


エミリアは闘技場スタッフが用意したカリーパンを貪りながら他の試合を眺めた。

控え室にいる選手は他の試合を見て対戦相手の対策をする事が出来るのだ。

エミリアは変幻自在のグリムリーパーによって毎回違う戦法を取るので対策が取りづらいのである。



キングとやらに挑むにはあと三人。


ここまで楽勝だったがそろそろ手強い相手が来ても可笑しくない。


かと言ってこんな場所で死ぬつもりもない。

仮に死んだとしても蘇生魔方陣で生き返らされたら後に待っているのは地獄である。





トーナメント表を見て次の相手を確認する。


異界の人間は他にも居たが勝ち残っているのは一人だけだった。











タロウシミズは異界から転移してきた青年だ。

右も左も分からない彼がこの日まで生き延びてこられたのは転移時に獲得したであろう特別な力、『分身』のお蔭だろう。


彼を襲ったゴブリンは決して侮ったつもりは無かった。

だが彼と同じ姿をした分身、それも十数人もの分身による数の暴力には敵わなかった。



彼が使う分身はほぼ無尽蔵に自身と同じ存在を生み出せ、自在に操れる。

分身とはいえ制御は難しくなかった。何しろ自分自身なのだ。考え方も同じだ。


時にはドラゴンに立ち向かうため百人規模のタロウ軍団を作り上げた。

そうして俺TUEEEして数年、ふらりと砂漠に立ち寄った彼は闘技場で力を示すことにした。



本体が無事な限り無限の分身で襲いかかる。


それが次のエミリアの相手だった。

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