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死神少女はどこへ行く  作者: ハスク
拾 ―降臨―
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死神少女達は未踏の地へ辿り着く

【第四階層】

五人は多くの冒険者パーティーが撤退した第四階層へと足を踏み入れた。


階段を降りた先の小部屋には大扉が見えた。


エミリアが様子を伺ってみて、近くには何も居ないことを確認すると扉を開け放つ。





一見すると横幅のある一本道。

こういう場所にはダンジョンバットやラット等が出てくるものだ。


小さいが数が集まるとベテランでも手を焼く魔物だ。






少し歩いてみたが魔物の姿は見えない。


先頭を進むエミリアの探知能力にも未だに反応はなかった。


「静か…………ですね。」


これまでの階層と比べて不気味な程静かだった。

五分くらい歩けば魔物を一体は発見できていたのだが。










「こう同じ景色が続くとさ、何か嫌な感じ。」

「同じ景色……………もしかしたら………」


ハンナの呟きにナタリーが反応した。


「古代の遺跡に侵入者を惑わす幻術があったはずですわ。」

「幻術?」

「魔法の一種ですわ。一見進んでいるように見えてその場から動いてない………という効果がありますの。その証拠に………」





ナタリーが後ろを指差すとそこには入ってきた筈の大扉が見えた。




「ナタリー、どうするの?」

「こういった幻術を発動させるには大規模な祭壇が必要の筈。祭壇その物は幻術の対象外なのであとは見つけることができれば…………」


ナタリーは途中で考え込んだ。

幻術を解くには祭壇をぶっ壊せば済むこと。加えて祭壇付近は幻術にかかっていないため見つけるのは容易なはず。


少なくともこの階層に来るまでは幻術にはかかっていない。





「祭壇の在処がわかりましたわ。一旦戻りますわよ。」


小部屋に戻るとナタリーは壁を調べ始めた。


薄暗い部屋はパッと見れば気づかないが、よく見ると壁の一部が変色している部分があった。


そして変色した部分に触れると突然部屋が揺れ始めた。


「ひゃっ!?」


咄嗟にクリスティアナがドーム状の障壁を張った。

僅かに崩れた土の天井が障壁に防がれる。



ゴゴゴゴと大きな音を立てて部屋の壁が開いていくと新たな扉が姿を現した。


扉の向こうからは気配は感じられなかった。

エミリアがドアノブをちょんちょん触って熱くないのを確認。あれはある意味トラウマになっていた。


扉を開けた先には大きな松明のような物体が見えた。

青い炎がどこか怪しげだ。

松明の部屋は光源が炎だけらしくかなり暗い。


「あれが祭壇?」

「あれから魔力を感じますわ。」


ならさっさとぶっ壊そうとエミリアが一歩踏み出す。


カチッ


嫌な音がした直後、エミリアが姿を消した。
















突然の浮遊感を感じた時には手遅れだった。


結構な距離を落ちて流石に死ぬかもと思ったがエミリアは生きていた。


「うっ………!」


だがうまく受け身を取れず足を痛めたらしく、エミリアの顔が歪む。


グリムリーパーを杖代わりに一先ず立ち上がるとさっきと全く違う場所だと気づく。

どうやら一つ下の階層に来たらしい。


魔物が蔓延るダンジョンで一人になるのは非情に危険だ。

上に戻る階段まで行けば合流出来るかもしれない。

だが近くにいくつもの気配を感じる。


普段はサーチ&デストロイなエミリアだが今回ばかりは部が悪い。

気づかれないよう慎重に移動を始めた。

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