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死神少女はどこへ行く  作者: ハスク
玖 ―私の居場所―
109/174

死神少女は炎竜を探しに行く

途中からエミリア視点になります

【ベルセイン帝国 魔の森】

獣使いの異界人タケシは遠隔で魔物を使役していた。

しかし魔物が駆逐され元冒険者の旗色が悪くなると撤退を始めた。

その際に例の魔物少女に使役魔法を使うとうまくこちらの元へ誘導することに成功した。

ファングの護衛は必要なかったかもしれない。


ただ問題ができた。


使役魔法が解けたのか赤い髪の少女が泣き始めてしまった。

しきりに「お姉ちゃん」と叫ぶのは助けを求めているのか。また使役魔法を使って黙らせるべきなのだがこんな幼い見た目の少女にそれをするのは気が引けた。


それにこういう雑音を嫌う人もいる。


「おい!!耳障りだ、さっさとそいつを黙らせろ!!」


あぁやっぱり来てしまった。

タケシは人に強く言えないのでこういう人が苦手だ。

ダニエルはタケシの性格を知っているため強くは言わないが他の者全員がそうではない。

彼らのほとんどが口の悪い荒くれ者でそういった気遣いとは無縁だ。


タケシは少女を連れていこうとするが意外と力が強くその場から動かせない。

そして泣き止まない。

彼女の泣き声が男のイライラが頂点に達する。。


「うるせぇガキだ!」


ドゴッと赤髪少女の顔を思い切り殴り付けると泣き止んだ。

ただ恐ろしいものを見たような顔をしていた。


「いいか、黙ってればこれ以上何もしねぇ。わかったか?」


赤髪少女は泣き顔で頷くと男は部屋から出ていった。


顔を赤く腫らした少女を見てタケシは後悔した。

こんなつもりじゃなかったのに。














ダニエル一行が根城とする廃砦の門番は二人いたが二人は無事ではなかった。

一人は喉にナイフが刺さり絶命、もう一人はエミリアから拷問を受けていた。


両腕を失った彼は既に発狂寸前だ後エミリアには関係ない。


「最後。赤い髪の女の子はここにいるの?」


そう言うと男の喉すれすれにグリムリーパーを突き立てた。


「ひいぃぃぃぃ!!」


見た目に似合わない残忍さに男は観念してレイラが連れてこられた事を話した。


「ありがと、じゃあね。」


お礼に首をはねて楽にしてやる。

約束通りこの世から解放してあげた。



レイラが森に入っていくところを見て思わず一人で来てしまった。

ナタリー達を待っていれば楽なのだろうがレイラに何をされるか……。

エミリアにとってはそっちの方が大事だ。


レイラを連れ戻したら後は冒険者に任せる。

そのつもりだ。


勿論邪魔な奴等は全員殺す。









砦の一室には村から奪ってきた物を詰め込んである。

食糧は別の場所に保管し、残りは換金できそうなものを選別する作業をする。

地味だが大事な資金源だから重要な仕事だ。


「倒した冒険者の剣、なかなか良さそうだな。」

「ミスリル製だな、良いもんじゃないか。」

「あぁこれはドワーフが鍛えた奴だな。よし俺の剣にしよう。」


装備品に関しては委任されているため私物化しても問題はない。ただし必ず報告するようには言われている。


「ん?なんだこれ。」

「あぁそれは建築中の家にあったやつだ。見たことないから高く売れるんじゃないか?」



「大変だ!!変なガキが仲間を殺してやがる!!」









道行く人間は全て悪党として殺していたら流石に気づかれたみたい。

自慢の探知能力で感じる気配は虱潰しに当たってみたらむさい男しかいない。


次はこの部屋。扉を蹴破るとやっぱり男達、死んでいい。


さくっと殺して次の部屋へ向かおう。


「む?」


扉の外に数人の気配、この部屋に入ってくる気がする。

殺した男の剣を拾って扉の前で待つ。



今。

剣を扉に突き刺す。


「うぎゃああ!!」


一人減らした。

呆気に取られる奴をもう一人、喉に突き刺す。


残ったのは逃げようとしているの?

ダメ、今度はこいつに聞いてみよう。


両足を切り落とすと耳をつんざく悲鳴をあげる。

顔を蹴って黙らせる。


「ねぇ、赤い髪の女の子見なかった?」

「ぐっ…………赤い髪?」

「知ってるなら早く教えて。」


股間部分にグリムリーパーを突き立てて急かしてみた。


「ぼっ、坊主が確かそんな子を連れてきていた気がする………」

「そう。」


坊主が誰なのかはわからないがレイラはこの砦のどこかに居るみたい。

なら気配を探って殺していけばその内辿り着くかな。


「……あっ。」


足元を見るとこの男、漏らしてた。

グリムリーパーどころか私の靴にまで………殺した。

あーあ、濡れちゃってる。気持ち悪い。


気を取り直して次の気配の所に行こう。



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