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Underground War

作者:

20XX年

これは、多くの情報がデジタル化され、インフラなどもネットワークに接続されているそう遠くない未来のお話。



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序章


ある日突然マイナンバーを運用するシステムがダウンし、数時間ほどアクセスできなくなった。

その後の内閣府サイバーセキュリティセンターの調査によると、情報などを盗まれた形跡はなく、ただただシステムへのアクセスができなくなった、それだけであったとのことだ。

そして、この攻撃はサイバー攻撃としては一般的なDDoS攻撃であった。

DDos攻撃というのは、いくつかのパソコンから同時にネットワークに対し大量のアクセスを行い、処理負荷をかけアクセスしにくくする攻撃である。

要するに、イベント会場などで大勢の人々がネットワーク通信を利用した結果、負荷に耐えられずに通信速度が低下する、といった現象を人工的に発生させる、そういった攻撃である。

サイバー攻撃というのはその性質上、犯人を特定するのは容易ではなく、このマイナンバーシステムに対する攻撃を行った犯人の目星は立たず、マイナンバーという政府肝いりの政策に対する犯罪にもかかわらず、捜査は暗礁に乗り上げた...



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Chapter 1 混乱


JR東日本の関東圏を走る在来線、新幹線は混乱を極めていた。というのも突然、ラッシュアワーの時間帯に入ったとたんに在来線各線、新幹線の信号が同時多発的に機能不全に陥ったのだ。

結果、痛ましいことにトラブル発生直後に列車の追突事故が発生してしまい、重軽傷者が多数発生するという事態にまで発展してしまった。これにより、信号トラブルから復旧するまで計二日間の運転見合わせを余儀なくされた。(途中から一部路線では大幅減便したうえで手旗信号を使って運転を再開したところもあったようだが)

なにはともあれこの結果、JR線と並走する私鉄各線、東京メトロ、都営地下鉄の各線やバス、タクシーは大混雑になり、混乱に拍車をかけた。

JRの内部資料によると、何らかの原因で信号を制御するソフトウェアが正常に動作しなくなり、なぜか二日後に唐突に復旧したというよくわからない事件であった。

国土交通省も原因を究明しようとしたものの調査は失敗に終わった。

そこで極秘裏に米軍サイバー軍が調査したところ、中国、ロシアなどを経由したハッキングによるものだと判明。またまた極秘裏に防衛省情報本部にその情報が伝達された。

しかし、防衛省にその情報が伝達されたところで自衛隊が大したことをできるわけでもなかった。というのも、自衛隊のサイバー防衛隊という部隊は計100人ほど。お世辞にも能力は高いとは言えない。一応重要インフラの発電所や、日本銀行などといった施設のサイバーセキュリティを情け程度に強化することしかできなかった。

かといって警察に情報を流してすぐ国民に出回るのも避けたい。というわけでこの情報は内閣内部の限られた人にのみ伝達されたうえで特定機密に指定された。

しかしこの内閣の行動をあざ笑うかのような事態が一週間後に発生してしまった。

報道各社に対し、『先日の攻撃は我ら反日民族戦線によるものである。貴国は二度の世界大戦による惨事を忘れたかのように帝国主義的行動を取り始めている。先日のJRに対する攻撃は我らの偉大なる同志による懲罰である。これ以上帝国主義的行動を取るのであれば近いうちに同様の惨事が貴国を襲うであろう』といった内容のメールが送られてきた。

これを受けた報道各社は混乱した。なにせ内閣による発表では原因不明、犯人不明という実質上の降参宣言が出されていたもだから。

その後のテレビ番組では自称評論家やら学者やらがたくさん出てきては持論を展開するという有意義なのかよくわからない番組が展開されていた。

そんななか、内閣はもちろん火消しに奔走した。そしてテロには屈しないという旨の声明を発表したものの、対抗する手立ては持っていなかった...



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Chapter3 破壊


『反日民族戦線』なる組織からの声明から三日後の十二時ちょうどに、まずは病院の医療機器がダウンした。各種医療機器がハッキングを受け、正常に動作しなくなった結果、全国で数千人規模の死者が発生した。

数千人単位での死者が発生した時点で政府は対応に忙殺されたわけだが、これはまだ序章に過ぎなかった。

この三時間後の十五時には火力発電所と原子力発電所が集中的に攻撃を受けた結果、日本全国で停電。これによりただでさえ機能不全を起こしていた政府が完全に機能を喪失してしまった。

この結果、道路信号が点灯しなくなり、交通事故が多発。鉄道も電車が動かなくなったことにより完全に交通網がマヒ。帰宅難民が多数発生し暴動が発生するなどといった事件まで発生。総死傷者数は万を下らなかった。

そしてそこから四時間後。飛行機に搭載されているレーダーがハッキングされたため、うまく空港に着陸できない機体が数機発生し、墜落事故が起きてしまった。しかし既に政府は機能不全に陥っており効果的な対応ができず、死者を増やす結果となった。



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Chapter4 終焉


翌日、自衛隊の支援を受けなんとか限定的とはいえ機能を回復させた政府は、自国での対応をあきらめ、半ば強引に日米安保を適用し支援を要請。電力、交通といった重要インフラに対するサイバー攻撃を【武力攻撃事態】に認定し、自衛隊とアメリカ軍を動かすという荒唐無稽なことを日本政府はやってのけた。それほど緊迫した状況であった。

そうして、日本の要請を受けたアメリカがイスラエルに支援を要請するという形で、三カ国による作戦が開始された。

なぜイスラエルに支援を要請したか。イスラエルはその地政学的事情から様々な軍事分野で秀でている。中でもイスラエルサイバー軍といのは世界でも屈指のレベルであり、切羽詰まった日本がアメリカ経由で藁にもすがる思いで支援を要請したというわけである。

自衛隊が被害情報の収集及び物理的被害に対する対応を行い、アメリカ軍は主に破壊されたシステムの復旧及び応急的な防衛システムの構築を行い、イスラエル軍は攻撃元の特定を主任務とした作戦となった。

この作戦は一か月にわたって継続された。その理由としては、まず日本のサイバー防衛能力が低く、防衛システムが貧弱すぎたため、テコ入れに苦労したこと、攻撃元の特定に相当手間取ったことなどが挙げられる。

一か月かけてイスラエルサイバー軍が追跡調査を実施しても、攻撃元の特定はできておらず、いまもひっそりと追跡任務を継続中だそうだ。

それから、この作戦中に行われた各種機関に対するハッキングはかなりの確率で防衛に成功したそうだ。



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終章


この大規模なサイバー攻撃、通称『反日大規模サイバーテロ』による被害総額は一兆円規模と推定され、合計死傷者数は三万人とも、五万人ともいわれている。

このような惨事は二度と起きないよう、政府にはしっかり対策してもらいたい。







新日本日報 20XX年 ○○日付朝刊特集記事より


生きてます

お久しぶりです

お前書いてたシリーズはどうしたかって?うるせぃ

リハビリがてら書きました。

たぶんあのシリーズの続きは近いうちに書きます

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