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似て非なる海人くんたちの話

作者: 漣 涼人

【簡単に優しいキャラ紹介をしよう】

愛蔵海人→出てくるキャラ全員の名前。

>>>おしまい<<<

なんという不思議な現象だろうか。登場人物は10人以上なのに、名前は一人しかない!! 彼らは自分だけで家族構成をしている。ひとり楽しいやつなのさ。

 森の奥の奥の奥の奥の奥にある大きな屋敷。そこに住んでいるのは青い短髪に橙色の目をした貴族のような男と彼に似た者たちだった。男の名はメール。[海]を意味する名をもつ。その名は二つ目の名前であり、本名は他にある。そんな彼は今煎餅を食べている。

「メル!!煩い!!テレビが聞こえないじゃない!!!」

青と白のマーメイドドレスを着て、左耳には十字のピアスをつけている“彼”が不満そうな声をあげる。メールによく似た顔立ちと髪色。違うのは深海のように暗い瞳の色だろう。彼の配役はお嬢様。女性貴族の名家、愛蔵家の正式な後継ぎとして育てられた男。愛蔵海人、彼なのである。「何を言っている!この家の持ち主は俺だ!!何したって構わないだろ!?」

「一緒にすんでるんだから僕のことも考えてよ!」

「なにをしてるの?」

「「マリサ!!」」

奥から言い争いの声を聞いてやって来たのはマリサ。これまた[海]を意味している名前だ。“彼”は人間とは言いがたい姿をしている。二人と同じ顔、髪。そして山吹色の瞳の。上半身はお嬢様に似ているが下半身は魚。人魚姫と呼ぶにふさわしい容姿で、ふわふわと彼らの上を優雅に飛んでいる。(…浮いている?)

「「だってコイツが!!」」

「喧嘩するとあの二人みたいになるよ?」

マリサが指差している先にはこれまた奇抜な二人が喧嘩をしている。一人は白いスーツに白いマントのいかにも怪盗を思わせる青年。身長は少し高めで、やはり青い髪をして、髪と同じ青い瞳をしている。名は、青と黒を表すブルノワール。またその態度からとった青猫というのも彼の名だ。その彼の前にいるのは可愛らしい少女。青い髪は長く、羽とハートをモチーフにした髪飾りをつけている。瞳の色は復讐の群青。セーラー服のような服装だった。彼女の元の役は魔法少女。しかし剣を振り回すその姿は魔法少女のイメージとはかけ離れている。彼女の名は愛蔵海美。普段からあまり人と仲良くできないと言っているが、昔は優しかったらしい。そんな彼女たちは特別仲が悪い。怪盗と聞くと悪いイメージがわきやすい。魔法少女は正義を連想させる。そんな正義と悪が一緒にいれば互いがムカついてくるのもしょうがないと言えるだろう。それとは別に、身なりがにていて特に相反しているように見えないメールたちにとって彼らと同等なのは少し嫌だった。

「少しはこっちのことも考えてよね」

それだけをいってお嬢様はテレビドラマをまた見始めた。「うんうん…まるで親子喧嘩みたい」

「あんなピーチクパーチク言ってるような反抗期は要らないな」

「「ただいま!!おやつ!!」」

ドアを思いっきり開けて帰ってきたのは少年二人。双子のようにそっくりだが片方には狐の耳と尻尾がついている。狐の名は紅海人。大財閥の紅家に養子として迎え入れられた化け狐。まわりと同じ青い髪。しかし瞳は燃えるように赤い。耳と尻尾は銀色の毛並みをしている。服装の狩衣の左胸にちょこんと黄色いリボンを着けている。彼の隣にいる少年は、瀬川海人。瀬川というのは父方の苗字で母方は愛蔵である。彼は青い髪に黄色い目をしている。服装はYシャツに黄色いベストに短パンと貴族の坊っちゃんのようだ。ベストには紅と同じように右側に赤いリボンを着けていた。

「おい狐!!寺子屋はどうだった?妖怪いた?」

「妖怪町にあるうえに僕が通って妖怪がいないわけ無い!!そっちこそしょーがっこーのテストで悪い点とったんでしょ?」

「とるかーい!!なんせこの天才で神童と呼ばれし瀬川海人様だぞ?そんなことナイナイナイナイナイ」

瀬川は後ろにとある紙を隠した。

「なら、さっき隠した紙はなあに?今日はテスト返される日だよね?」

「マリサ…それは、その…」

マリサは彼の隠した紙を取り上げる。グシャグシャでゴミクズとなり損ねた紙から浮かび上がったのはなんとも悲しい数字だった。

「ひっ…」

オーラでわかる。マリサは少し苛立っている。怖いと子供の勘で察することができた。

「紅は?テスト」

「考査?あるよ…はいこれ」

ご丁寧にしまってある答案用紙には瀬川のとは違ってかなり高い数字が並んでいた。

「自信あったからね♪」

数字を見たマリサも嬉しそうだ。しかし瀬川は悲しみが増えただけである。

「オリジナルに聞いて真面目に勉学に励むのでおやつください!!」

オリジナルというのは…いや、それは本人が来たときに話そう。瀬川は土下座をして頼み込むようにおやつを求める。今日のおやつはカリッフワッの美しいきつね色をしたドーナッツ。紅は小動物のようにモゴモゴ食べる。ここまで来ると本当に彼が狐なのか謎である。

「マリサ…それくらいにしてやれよ。本人が頑張るって言ってるんだし」

メールが言う。さすがに可哀想だと思ったらしく、やっと言った一言だった。

「それもそうか…次は良い点とるんだよ?」

「うん!!」

マリサとて鬼ではない。芯は優しいのだ。

いつのまにやら海美とブルノワールも喧嘩をやめ、彼らのおやつを勝手に取って食べていた。

「……白雪は?」

突然、お嬢が言った。白雪というのもこの家の住人である。

「グーテンモルゲン…」

「いや…朝じゃないし…」

今起きてきたのが、白雪である。青い短髪に薄い青の瞳。頭には大きなサファイアがついたティアラ。まるでおとぎ話から抜け出してきたようなお姫様の短いドレスを着ている。海美とそこまで変わらない年齢だろう、彼女によくにていた。

「せっかく良い夢見れたのに…」

「言っとくけどもう三時だからね?」

お嬢が言う。白雪は一度寝るとなかなか起きない。死んだように眠っているのだ。

「あ、瀬川たち帰ってきたのか!」

「「おはよう!」」

「おはよう」

子供たちに変なことを吹き込むのが大好きな白雪は子供たちが帰ってくるのをいつも楽しみに待っている。

「今日もおとぎ話聞かせて!」

「じゃあ…今日は、頭良いと思ってた狼がバカすぎて池ポチャする話を…」

「赤ずきんって言えよ!!そこは!!」

華麗な突っ込みをしたのは、この家の番犬と呼ばれている、化け狼だ。狼の耳と尻尾と牙以外は人間。察しの通り青の髪に金色の目である。彼は貴族ながらも昔の紅家に仕えていた。彼のいた世界では獣人は奴隷同然である。彼は紅の末子の女の子といとこ同士であり従妹を好いていた。そんな彼のあだ名は…

「別にシスコン狼の話じゃないじゃん」

「シスコンって言うんじゃねぇ!!餓鬼らが覚えるだろ!?」

「「シスコーン」」

「ざんねーん覚えちゃいましたぁ」

白雪とは仲が良い(?)らしい。

「さあ!外へ出ろ!!くそニート!!」

「むぅーりぃー!!!!」

別の部屋から出てきたのは、オリジナルこと、正真正銘の時空に住む、愛蔵海人である。青い短髪、黄色い目。黒のケープマントを身に付けた魔術貴族。彼が引っ張り出しているのは、神となった彼である。見た目は同じような顔立ちの左ほほに紋章が刻まれており、メールに似たような服装をしている。彼は両親が怪異に巻き込まれて亡くなり、生まれる前に死んでしまった瀬川海人見た目は大人頭脳は子供、本当の歳は0歳児が彼のキャッチフレーズだ。双子と思われし小さい神と共に映画を作っているが最近は引きこもりがちで、双子に調査を任せているニートである。

「やっと全員揃ったね…」

奥の部屋から出てきたのは、背が高く、人が良さそうな顔立ちに青いスタイリッシュな髪。金色の目は、すべてを見通したような冷たい色をしていた。見た目は高校生であるがそれよりももっと不思議な雰囲気の男。愛蔵哀音である。彼は未来の彼らの姿そのもので、転生体なのだ。彼はすべての絶望体であり、悲しみから生まれたマリサでさえも越える化け物。もうすぐ還暦を迎える歳であり、この中の誰よりも世界を知っていて、彼らの終わりも知っていた。

愛蔵海人という個体は短命である。愛する家族を失い、恋人を無くし、自分の姿さえも変えていく。恋人に愛され、別の人間から殺される。復讐を遂げる代わりに自分が悪魔にかわり永遠を続ける。幸せの代わりに最愛の人が死んでいく。すべてを変える力を持ちながら使い方を知らずに消える命なのだ。

この館はそんな存在を弔うためにあるのか、救うためにあるのか。

それがわかるのはもう少し先の話である。

どうでしたかな?自分だけでの家族構成は。

実際、あの家族をちゃんとした家族に当てはめたことないんで、やったら教えて欲しいですも。てか大家族だな…おい! しかし作者は続かないの申し子(誰も言っていない)。質問・苦情等受け付けております。(こないにドーナッツ3個)

続くかは気分次第ですお。

今後皆に幸あれ!!

ありがとうございますた。

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