四話 保健とポニーテールと親友
どうもタッツーです。ポケモンじゃないですよー!! さあ、リレー小説第四話ですよ。
「ぬわああああ!!!」
シバは勢いよく起き上がった。汗をたくさんかいている。服がベトベトだ……。
なんだったんだあの夢……俺が炎を操ってるなんて。冗談じゃねぇ……。そもそも俺の能力に炎を操るものはない。……ん? 待てよ……重力を操作して炎の動きを変えるくらいのことはできるのか?
「まあいい!! 所詮夢は夢だ!!! 現実にかなうはずがねぇ。よし、忘れよう」
ふと時計を見てみると午前の6時30分をすぎたところだった。
少し目を閉じて戻れ……と念じてみる。そして目を開け時計を見ると10分ほど時間が戻っていた。
「やっぱり異能が使えるようになってしまってるのか……」
そう呟くとベッドからおり、窓へと近づく。カーテンを開けると眩しい朝日が差し込んできた。
シバは目を細めた。
「ふぅ、今日も長い一日の始まりだ……」
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
学校での三時限目の授業。自分のクラスで保健の授業だ。隣のクラスと一緒に授業を受けることになっている。
俺の席は一番窓側の一番後ろの席。いろんな作品であるようなパターンである。
外を見ると女子達が準備体操をしていた。その中に四葉の姿もあった。
おつかれさん、と呟くと前に向き直った。
保健の授業とは大変つまんないものである。教師の話を延々と聞き授業が終わるのがほとんどだ。だからつまんなくなってきた生徒達がしゃべりだす……。当然教師は怒るのだが喋ってしまうのも無理はないと俺は考える。喋るのも悪いがそういう環境を作ってしまっている教師が悪い。しかし、俺にそんなことは関係ない!! 何故ならば―――
つまんなくなればグラウンドを見れば女子達が!!!!
オッホン……決して変態とかそういうんじゃないんで。ただ俺は汗を流して頑張っている女子を見ると応援したくなる!!! ……むしろしたくない奴なんていんのか? いるならばこの雨宮シバが直々にぶちのめす。いや、マジで……
それに+αしてポニーテールだったならもうそいつには勝てない。完敗だ……
結論、保健の時間は楽しい。
さて、今日は100m走のタイムでも測っているのだろうか? 四葉が先頭を走っているのが見えていた。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
学校からの帰り道、四葉と二人で歩いていた。
「ねえ、シバ君。そこのクレープ食べてかない? 女子の中で美味しいって声がたくさんあってさー?」
「まあ、いいけどクレープか……食べたことあったっけ?」
「それじゃあ決まりだね!! ささ、行こっ!」
シバは四葉に手を引かれて行った。
店に入ると、いかにもな感じの甘い香りが漂っていた。
「結構人いるねー……ま、いいや、シバ君どれにする?」
「ん、俺か? えーっと…このチョコバナナってやつでいいかなー」
「じゃあ、私はストロベリーアイスチョコ!!」
カウンターに行こうとしたがごった返しててなかなか近づけない……
「ここは私の出番だね!! クレープのためにファイトー!!!」
気がつけばカウンターの前だった。
これが四葉の能力の一つ瞬間移動。てか、もうこいつ完全に使いこなしてるじゃん。俺なんて……使う場面がもっと寝たい時に時間戻すくらいしかできねぇのに。
一通り注文も終え、クレープを受け取った俺たちは空いていた席に座った。
すぐさまクレープを口へ運ぶ……。うん、普通にうまい!! 四葉も幸せそうな表情を浮かべている。
「あ、シバ君鼻にチョコ付いてるよ。とってあげる!」
「いいって、自分でできるよ……うわっ」
四葉は指先でチョコを取ると舐めてしまった。
「ご馳走さまでした」
「お、おう……」
そうわいわい騒いでると一人の少女が近寄ってきた。なんかどこかで見たような……
「楽しそうなとこごめんなー。さぁて、うちのこと覚えてるかな?」
「え、嘘……」
この関西弁どこかで聞いたことがある。まさか―――
「まさかお前!! 茉希奈か!?」
「やっぱりそうだよね!?」
この少女こと、真部 茉希奈。父親の仕事の都合で大阪からこちらに来ていたのだが、小学生の頃に大阪に戻ることになった。小学生の頃はよくこの三人で遊んだものだ。
いきなりの親友の登場により、シバと四葉は口を開けて言葉を失っていた。
次はまたオッカーです。まあ、またつきあってやってください。どうぞよろしくお願いします。