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くじ引き勇者と魔物使い  作者: 坂道草
6/13

6話 魔物使いの1週間

 翌朝、朝食を食べた俺達はある一室に集まっていた。


 そこには宰相と騎士らしき人が10人程立っていた。


「昨日も紹介はしているが改めて、宰相のジャクルス=イアンだ、今日は訓練の前に、簡単にこの世界の事を異世界の客人達に説明していく、後彼らを紹介しておく」


「暁騎士団の団長ゲオルグ=ラングレーだ、よろしく頼む、こっちの3人は我が暁騎士団の騎士で、タキシロ殿の護衛をする事になっている」


 と、壮年のアゴヒゲがよく似合う顔で、所謂バリトンボイスで話した彼は、後ろに控えていた3人を紹介する。


「あたしはミア=アシッド、取り敢えず3人のまとめ役を任命されてるんでよろしく」


 一人目は女性騎士、長い赤髪を後ろで軽く留めている、少し低めの声で、姐さんといった感じの雰囲気がある。


「はっ!私はアイン=レウルーラと申します、よろしくお願い致します」


 二人目は男性騎士、短く切った銀髪がよく似合う美青年、声は少し高めで、必要以上に真面目そうな雰囲気をかもしだしている。


「最後は俺か、フェルド=ヒューラーだ、よろしくな大将」


 三人目も男性騎士、少し長い金髪で男らしい声をしている、ただ騎士としては少し軽そうな性格をしているようだ。


 向こうでは4人の護衛に付く騎士が自己紹介していた、彼らは勇者を戦争に使うべき、と主張する貴族連中とは反対の意見の持ち主の騎士達で、選ぶのに苦労したとかなんとか。


―一日目―午前 座学。


 まず、地理から。


 この世界には七つの大陸がある。


 炎の神が守護するファルア大陸。


 水の神が守護するアラアナ大陸。


 地の神が守護するアリアス大陸。


 嵐の神が守護するブラオヤ大陸。


 光の神が守護するライティア大陸。


 闇の神が守護するダクライ大陸。


 女神アルテナが守護するフォーリン大陸。


 今居る大陸はアリアス大陸、フェイクライズは南東部に位置している、大陸を丸い円で表現すると約上半分を支配しているのがサルフォール帝国、国土は広いが余り豊かな土壌とは言えず人口は多い為、常に食糧難に陥っている、更に下半分の西側半分を支配しているのがユーミール王国、この国はフェイクライズの同盟国である、東にはフェイクライズを含め小国が幾つかあり対帝国で連携を結んでいる。


 次に一般的な常識、これは過去の勇者が作った仕組みにより、比較的に俺達の世界の物に近かった。


 わかりやすい所では、人殺しは原則禁止、当然盗みもだ。


 また、1年は360日で一ヶ月は30日1週間は6日。


 月は火・水・風・土・炎・氷・嵐・地・光・闇・天・無。


 曜日は炎・氷・嵐・地・光・闇・天。


 次に魔法の話。


 基本魔法は火・水・風・土・無、となっていて。


 上位基本魔法が炎・氷・嵐・地、となっている。


 普通は基本魔法が使用でき、その中から得意な属性が1つか2つあるくらいだが、更に上位基本魔法が使える者も結構いるらしい。


 希少魔法は光・闇・時・空間・使役が現在確認されていて、この希少魔法が使える者は、他の魔法が使えない可能性が高くなる。


 因みに、簡単に使用出来る魔法は調べられて、俺は使役魔法と上位基本の地魔法、後は基本から無魔法だけだった。


 勇者4人は基本、上位基本の全てが使用可能で更に光も使えるという、チートっぷりだったが。


 そしてスキル。


 種類がありすぎる為、詳細は省かれたが、例えば剣術スキル・短剣スキル・腕力強化スキル・鍛冶スキルに家事スキルと、戦闘に関わる物から、生産系、果ては日常的な物の様な大体の物にスキルは存在する。


 レベルに関しては。


 レベル1初心者

 レベル2中級者

 レベル3上級者

 レベル4達人

 レベル5皆伝

 レベル6真理

 レベル7天性


 となり、普通は死ぬ前まで経験を積み重ねても達人止まり、極希に皆伝まで辿り着くらしい。


 最後に魔物について。


 魔物は体内に魔核と呼ばれる宝石があり、その魔核が魔力を纏う事で身体が構成されている。


 その為、魔物を倒すとその魔力を取り込む事が出来る。


 また、魔核は冒険者ギルドに持ち込む事で換金出来るらしい。


 と、この辺りまで聞いて、昼食を挟み、戦闘訓練に入る。


 因みに、昼食を食べた時点でレベルが3になっていた。


―一日目―午後 戦闘訓練


 4人と別れて個別に訓練をする事に。


「さて、旦那、何か得意な獲物はあるかい?」


 ミアが持ってきた武器を見る。


「取り敢えず、短剣と弓だな…後は何か攻撃力のある武器がいいが…」


「大剣とかどうだ?大将」


「扱ったことがないからなぁ…斧かハンマーか…」


「あ、ではこれはどうですか?」


 とアインが渡してきたのは、1.5メートル程の長さの柄の付いた片方が斧、片方がハンマーになっている物だった。


「モールじゃないか、武器…いや、これなら…」


「モール?」


 持ってきた本人が知らない様である。


「これはモールって言って、本来は薪割り何かで使う農耕具何だが…これだけ大きければ、武器として使えるか…」


「へぇ…あたしはハルバート見たいな物かと思ってたよ」


 素振りをして、使えるか確かめてみる。


「よし、大丈夫そうだ、始めようか」


 今日一日は武器スキルの習得を目標にし、ミア教官の元、訓練を開始した。


 その日の夜は4人共疲れた様で、夕食後部屋に集まる事もなく就寝した。


習得スキル

ハンマー

短剣

投擲

薪割り


―二日目―午前 魔法訓練


 今日は朝からアイン先生による魔法授業が始まった。


「魔法使用の基礎、無魔法の『魔力玉マジックボール』をまず習得してもらいます」


 使い方は簡単、体内の魔力を手のひらに集め玉にする。


(いや、簡単に出来たら苦労しないんだけどね…)


 習得までに三時間を費やした。


「出来た!出来たぞ!」


 手元に出せた魔力の塊を3人に見せる。


「え!もうかい!?」

「わ…私は1週間掛かったんですが…」

「俺だって4日は掛かったぞ…」


 どうやら、かなり早かったらしい、フェルドの見立てでは、俺は魔力量は兎も角、使い方は精密差に特化しているとかで、強力な攻撃魔法よりも、妨害や支援魔法の方が向いてる様だ。


―二日目―午後 戦闘訓練


 あまり魔力を使いすぎて、動けなくなっても意味がないので、午後からは武器訓練に戻る。


 今日は木剣と木盾を使い、3人と模擬戦をする。


習得スキル

剣術

無魔法・『魔力玉マジックボール


―三日目―午前 魔法訓練


 今日は昨日習得した『魔力玉マジックボール』を使い、魔力の扱い方の訓練をする。


 『魔力玉マジックボール』は魔力を流す事で形を変えられる特性を持っている、訓練用の魔法だ。


―三日目―午後 戦闘訓練


 今日は弓をメインにした中距離の戦い方と、短剣で急所を付く練習をする。


 その際、ミアに人体の急所を教えてもらった。


習得スキル

魔力精密操作

弓・狙い撃ち

短剣・急所狙い


―4日目―午前


 この日、勇者4人と護衛騎士4人、計八人が一足先に旅に出た、今生の別れでもないし、通信もある。


 普通に見送り、魔法訓練に入る、俺も後二日で出発予定のので、最低ラインには仕上げたい。


 今日は地魔法の練習に入る、やり方は地面に魔力を流し、『魔力玉マジックボール』の要領で『地の玉アースボール』を作る。


 何とか昼食前に成功する。


―4日目―午後 戦闘訓練


 今日からモールの本格訓練に入る、装備はモールとバックラー、モールが両手持ちなので、持たなくても装着出来るバックラーを選択した。


 3人と模擬戦をする、やはり全く相手にならなかった。


 ここで3人のレベルを確認すると、ミアが25、アインとフェルドは20だった。


 因みに俺はここ数日の食事と訓練でレベル8になっていた。


習得スキル

地魔法・『地の玉アースボール


―五日目―午前 魔法訓練


 今日は『地の壁アースウォール』と言う魔法の習得を目指す、フェルド曰く、防御魔法は有っても困らない、都の事だった。


 大地を操作し、目の前に壁を出す、それだけなのだが展開速度が遅い。


 習得は出来ても、展開に5秒も掛かっては防御も糞もない、今後の課題になった。


―五日目―午後 戦闘訓練


 今日もモールを使用して訓練をする。


 斧の部分を使い、相手の武器を絡め取り、ハンマー部分で攻撃…等、兎に角攻撃パターンを探る。


習得スキル

地魔法・『地の壁アースウォール


―六日目―午前 魔法訓練


 今日は午後、城から出発する日。


 その為、『魔力障壁マジックガード』と言う、魔力を身体に纏わせて魔力耐性を作る魔法を習得し、終わらせた。


習得スキル

無魔法・『魔力障壁マジックガード


 そして午後、出発の時が来た。

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