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第7話〜戦慄"魔狂領域"前夜編〜

最近ずっとサボていたので、久しぶりに書きました^^

何度も見てくださっている方も初めての方も、読んでいただけると嬉しいです・∀・)ノ+.*;:+.;

暗雲渦巻く夜。

一人の男がBAR「闇夜の集い」へと足を運んだ。

この時間帯には、仕事帰りのサラリーマンがよく訪れている。


「よぅ、今日も来てやったぜ。」

「ふふ、、、相変わらず暇なのね、、何にする?」

「ああ・・・いつものでいいさ」


いつものやりとり。

大柄な男性と、妖艶な大人の色気を放つ女性。

どことなく他人とは違う、いわば個性的な雰囲気をもつ2人だ。


男は、一般人が飲めばたちまちつぶれるアルコール度96%という酒「スピタリス」を飲みながらこう切り出した。


「なああんた。なんで伴侶も作らずこんなしけた店開いてんだ?

 そろそろ探さないと行き遅れるぜ。だろ?w」


男は隣で飲んでいた男の背中をバンバン叩きながら笑っていた。

その男は苦笑いをしながら妙な人に絡まれたな〜と苦笑いをしていた。


「はは、失礼だね。これでもまだ10年は耐えられるさ。」

「へっ。さすがは長年生きてる人の言葉だ。10年でも20年でも問題ないんじゃないのか?w」

「あんた、、、、ひっぱたくよ、、、」


すると男はじゃあ帰るわ、と颯爽とBARを後にした。


「伴侶、、、、、か。今となっては、、もう。何もかもを捨て、得ることを拒んだ私の運命にそんなものは存在しないわ。」

独り言でそういうと、きりっと気持ちを入れ替え、カウンターにたたずむ客に注文された酒を出した。










夜が明けた。すがすがしい風、さんさんと降り注ぐ陽、小鳥たちのさえずり。

何かを決意したかのように、海人は窓から空を見上げ、背伸びをした。

隣りの部屋ではまだ雪奈が気持ちよさそうに眠っている。


「まったく、、、緊張感がないやつだな、、、、いつ神界から魔の眷属が来るか分からないってのに、、、」


いつものように朝ごはんを作り、雪奈を起こす。

眠い目をごしごし擦りながら階段を降り、欠伸をしながらリビングに入り、朝ごはんが用意されているダイニングテーブルに着く。


「おはよう海人。今日も授業あるの?」

「俺の?あぁ、、、、非常時に備えて毎日するんだよ。じゃないといきなり襲われたら焦るだろ?」


納得したかのように、うんうんとうなずくと、卵焼きを口に運んだ。


「ちょっと考えたんだけど、、、、学園長ってさ、どうしていなくなったんだ?

 学園を捨てたのかな?だとしてもどうしてだろう、、、」


う〜ん、、、とその場で考え込むと、みそ汁を飲み終えた雪奈がこう言った。


「私も気になってたの。学園長がいない今あの学園は何のために存在するのか分からないし。

 先生が言うには学園のどの文献にもそのことは書かれていないって。」

「俺もいろいろ調べたんだが、出てきたのはこの一文だけ。


 同志、魔をもって魔を制し、久遠の地へと、いざ向かわん


 ってね。」

「魔って言うのは魔法のことだとして、久遠の地って、、、、どこだろう?」

「久遠の地、、、、、エンドグラス?神界?曖昧すぎてわかんないな」

「どれにしても、この世界ではなさそうね、この世界には魔法にまつわる地はほとんどないから。」

「この話はいいか、、いずれわかるさ」


朝食を食べ終えた2人は、家を後にし、学園へと向かった。




新緑に囲まれた学園は今日もにぎやかだ。

中庭では、精霊や使い魔たちが仲良く話し合っていたり、調合に失敗したウィザードが真っ黒になっていたり、ウォーロックの面々が海人様を奉る会の布教活動をしていたり、いつものように賑やかである。


この学園は日々自由授業で、カリキュラムや休みの日は決まっていない。

別に進学や就職を目指しているわけではないので、登校だけしていれば何の問題もないのだが。


特別授業を始めて一週間。

そろそろ神界から何かしらの動きがあっても不思議ではない。


「じゃ、今日はこれまで。」


海人は授業を終えると、ふと窓の外を見た。

怪しい霧が立ち込めている。

その霧はじわじわと学園を覆った。


「この季節に霧?おかしいな。」

「いやこれは、、、、魔力によって生まれた霧だ。何者かが霧を発生させたんだ。」

「何者かって、、、、それって、、、、」


一人の生徒がそういうと、学園の危機管理システムが作動し、警報が鳴った。


「学園内にいる生徒の皆さん!!上空の歪みより多数の影を確認!!警戒してください!!」

「ちっ!!もう来やがったか。」

「今までの授業の成果を見せてやるぜ!!覚悟しろよモンスター!!」


生徒全員が身構えると、すぅっと霧が晴れていった。


「あ、、、あれ?霧が、、、晴れていくぞ?」


今さっきまで学園を覆っていた濃い霧は跡形もなく消えさっていった。

すると学園の庭に、10数人の人影があった。

背には純白の翼を有し、こちらのほうを見ている。


「あ、あれは!!天命天使じゃないか!どうして彼らが!?」


全生徒が天命天使たちのいる庭へと集まった。


「久しぶりだね海人。おっと、、、再開を喜んでいる場合ではないんだ。

 今神界はとんでもないことになっている。」

「とんでもないことって、、、まだ戦争は終わってないのか?マターは確かに倒したはず、、」

「それが、、、マターはまだ生きている、、ただ、、刻死天使側の牢屋の中に幽閉されているが、、、」

「はぁ?どういうことだよ!!何でマターが?」


混乱する海人にいま神界で起こっていることすべてを伝えた。


「、、すると、、マターは親に踊らされてたってわけか、、んで今はラズィっていうやつが仕切っている、、と」


「そういうことだ。それでそのラズィがいまこの人間界に攻めようとしている。

 残り時間はそう長くないだろう。攻められれば何が起こるか分からない。

 我々も共に戦おう。同志ラファエルよ。」


「ああ、、、、この人間界をやつらに滅ぼされてたまるかよ。必ず守るんだ。この世界を!!」


一斉に皆がお〜〜〜〜〜と叫び、学園にこだました。

まるで学園祭前夜のように皆が程良い興奮に包まれていた。







「今まで得ることを拒んできた、、、いつまでこうしていられるのかしら、、、

 定められた運命から必死に逃れようともがいても仕方ないというのに。

 いっそのこと拒んで苦しむのなら、拒まずに苦しみたい、、、、、、

 変わるために、、、、、、、苦しみたい、、、、、」


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