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第3話〜リーブラ覚醒〜

今回からだんだんと核心に迫っていきます。


ズルッ・・・・・ズルッ・・


海人は、足を引きずりながら、秘密基地の入り口まで辿り着き、腰を下した。


「はぁ・・・はぁ・・、雪奈・・・・。帰ってきたよ・・・俺・・」


もう体力の限界だった。意識が朦朧とする中、雪奈の名前を呟いた。

再びこの場所に帰って来れたが、

姿はまるでゲームの世界のキャラクターのように、現実離れしていた。

頭には透き通った輪、背には青白く輝く翼、服も日本には無いような物だった。

その中でも一番目を引くのは、彼の翼だった。

淡く光る翼は、多少傷ついてはいるが、その美しさは霞まない。


「どこだ・・・雪奈・・・」


そう言うと彼は気絶して、入口に倒れこんだ。

朝日が彼の体を照らす。

差し込んだ光が神々しく光り、

まるで一枚の絵画のようだった。






昇っていた太陽も沈もうとしていた頃、

秘密基地に一人の少女がやってきた。

彼女の名前は葉月雪奈。

海人の幼馴染であり、世話焼きであり、最も大切な人だ。


「だれ・・?」


彼女は、入口に倒れこんでいる海人に対して言った。

遠くから見ていたせいか、最初はだれか分からなかった。


「か・・・いと?海人・・なの?」


近づいて初めて気がついた。

姿は変わり果てていたが、顔を見てはっきりとわかった。


彼女はあの日から毎日、何があってもこの時間に1人でここを訪れていた。

その努力がやっと実を結んだのだ。


「ひどい傷・・どうしよう・・」


あまりに傷がひどかったので、もう駄目かもしれないとさえ思えた。

でも触れてみると、海人の体温が手に伝わってくる。


「海人・・・・・・帰ってくるの・・・・遅いよ・・」


涙ながらにそう言った。

雪奈の頬を流れた涙は、海人の手に、

ぽつり、ぽつりと落ちた。

雪奈は海人の手をぎゅっと握りしめると、彼の横に座り込んだ。


「うぅ・・・・・雪奈?」


雪奈に気づき、海人は目を覚ました。


「海人!?良かったぁ・・・」


あまりの喜びに緊張がとけて、大粒の涙を流しながら、海人の胸に飛び込んだ。


「痛い・・・・痛いって・・おい・・」


海人も泣きながら雪奈を抱きしめた。

2年ぶりの再会。

あの頃は、2年間も離れ離れになるなど考えもしなかっただろう。

互いに再会を喜び合った。


「早く帰りたいな・・家に・・・」

「・・うん、帰ろう・・傷も治さないと」

「雪奈の治療はちょっと怖いな・・」


笑いながらつかの間のあいだ話していた。

海人は今とても幸せだった。

こうやって話している時間が、ありふれた会話が、

彼にとっては最良の幸せなのだ。


いつしか海人の頭の上にあった輪は完全に消えていた。

そして突然、海人の腕が淡い青色に光りだした。


「な・・・・・なんだこれ、腕が光ってる・・」

「なにこれ・・」


彼の手の甲に不思議な模様が刻まれていた。


「なんだ・・?これ・・・・・!?あれ・・傷が・・治ってる!?」


いつしか彼の体を覆っていた痛々しい傷は、きれいさっぱり消えていた。

心地よい風が吹いた。

全身が青白く光り、彼の中に温かいものが流れた。

おだやか・・・それでいて、力強いものを感じた。



彼の体に宿った力・・・・・"Zodiac"


横道十二宮と呼ばれる。

主に占い等に用いられるものである。

彼の手に刻まれた模様、Ωに_を足したような模様。


「天秤宮」


リーブラとも呼ばれ、携帯の絵文字などにも使われている。

何故このようなものが、彼の手に刻まれたのかは分からないが、

世界を動かす、大きなカギを握ったのだった。


「この模様どこかで・・・・・あっ!?そうだ!」


彼女は慌ただしく秘密基地に駆け込んだ。

海人も慌てて後を追った。


「ほら・・・これ・・。私たちが居た頃にはこんなの無かったけど」

「同じだな。手の模様と・・」


秘密基地の中に大きな幕が張られていて、リーブラの模様が描かれていた。


「あとこれが・・」

彼女が差し出したのは手紙だった。

差出人はミカエルで、"海人以外は解読不可"と書かれている。


「ミカエルから・・・・」


海人は手紙を開けると、中には真っ白の紙が1枚入っていた。


「真っ白?」


雪奈は首を傾げながら言った。


解読の叡智リード・インテリジェンスだな」

「リード・イン・タンス?何それ???」


彼女は特有の天然のボケをかました。

彼はくすくす笑いながら、


解読の叡智リード・インテリジェンスだよ。まあ高度な魔法封印みたいなものかな」

「へぇ・・」

「へぇって・・学校で習っただろう?」

「私、実技派だから」


彼女はふくれっ面をして、嫌味そうに言った。


「相変わらずだなぁ・・」

「もぅ・・いいから早く見なよ」


彼は紙切れに手を当てると、


「我は、大天使ラファエルラヴァの名を継承する者、皆川海人の名において、解読の叡智を施行する」


そう言うと紙切れは赤く燃え、字が浮かび上がってきた。

そこには、海人への謝罪と、秘密の内容が簡潔に綴られていた。


海人へ



君には本当にすまなかったと思っている。

悔やんでも悔やみきれない。

もし君が私を怨んでいるのなら、

ここから先の内容は読まずに処分してくれ。








この内容は、君と君の信頼できるものにしか言わないでくれ。

あの事件はこの新界、人間界、時の雫全ての問題だ。

私はもうどうする事も出来ない。

だが、Zodiacの宿る君になら、なすことができるかもしれない。

お願いだ。

これらの世界を救えるのは君だけなんだ。

どうか再び力を貸してほしい。




手紙の内容はこれで終わった。


「ミカエル・・・・・分かったよ。神界の友を救ってみせるから!!これは俺にしかできないことなんだ。必ず・・・必ず成し遂げるから!!」


こうして、彼のすべてを巻き込んだ神々の戦いが始まろうとしていた。

恐怖の神界戦争が・・・・再び・・・・・・。

もっと2人をラブラブにさせたかったんですが、

それは次回をお楽しみに(#^.^#)

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