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過去投稿作品(短編・掌編)

Rationalization

作者: よねぎし久羽

私は優しくないよ。

ただ、優しい振りをしていただけ。

それに私に優しい振りをさせたのはあなたなんだからね。

覚えてない?

「君って優しいね……」

確かあなた、そう言ったよね。

忘れていないよね。

その言葉が私の中で何かを目覚めさせたのよ。

そうよ? あなたの一言が私の生き方を変えたのよ。

どういう風に? それはね。優しいって言われるのは悪くないってことに気付いたのよ。

いえ、それ以上に快感だったのよ。

だからあなたの前ではそう振る舞うことにした。

分かった? これはあなたの所為でもあるんだからね。それを自覚して欲しいな。

だから今更、騙したなって人聞きの悪いことは言わないでね。

あなたが切っ掛けを作ったことと、私という人間を見誤ったのが原因だからね。

それをお忘れ無く。

恨む? どうぞご自由に。痛くも痒くも無いから。


立ち尽くしてるあなたの元から踵を返して立ち去る。

もう少し上手く立ち振る舞わないと、余計な手間が増えるな。

今回はちょっとした油断から発覚したけど、それさえ無ければ上手くいく。

それに今回はちょっとしたお試しだし、次回はもっと上手く演じてみせる自信は付いたね。


……フト思う。ホントの私ってどういう人間なんだろうね。

とりあえず優しい人間じゃ無いことは分かっている。

たぶん、真逆の人間だと思うけど。

だからなんだって言うのだろうね。

これから私は優しい人間を演じればいいんだから。

それで夢を見られる人が居ればいいんだから。

そうよね。

そうだよね。


でも……、


……ホントにそれでいいのかな?

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