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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

嘘の始まり

作者: 楓絽




「なぁ」


「何?」


「……」


「……」


春休みに入り今日は部活も休み。遊びに行ってもいいんだけど、いかんせん出無精なもんで。家でゴロゴロしてるのが一番ということで実行してたんだけど、その平穏をぶっ壊したのがコイツ。槙音マキト。いきなり人の部屋に入ってきたと思ったらこれだ。俺にどうしろと?


「てか、何で来たわけ?」


「いや…」


別に約束なんてしてないし、確かに槙音とは仲は良いけど、しょっちゅう家を行き来するほどではない。何故ここに来たのかサッパリ不明だ。母さんも勝手に上げるなよ。


「なぁ」


「何だ?」


「あ…いや、何でもない」


その言い方明らかに何かあるだろ。わざわざこんなとこまで来たんだから、逆に用事が無かったら不自然だ。


「ハッキリ言えよ」


気になって昼寝どころじゃないしな。もしかしたら悩み事があるのかもしれない。そう考えるとそうとしか思えなくなってきた。


「俺とお前の仲だろ?」


どんな仲だ。と自分で内心ツッコミながら言ってみる。


「……」


ここまで言って話さないとなると意地でも聞きたくなってくる。


「と、友達の話なんだけど…」


こういう切り出しってだいたい自分のことを言うって決まってるんだよな。


「……」


「友達の話なんだろ?どうしたんだ?」


白々しくも先を促すと、やっと槙音は話す気になったようだ。


「…男を好きになったと言い出したらどうする?」


「はっ?」


なに?槙音、男を好きになったわけ?ぶっちゃけ意外。槙音は顔は良いし、性格だって穏やかでめちゃめちゃ女子に人気だ。やろうと思えば取っ替え引っ替えできるくらい。


「やっぱ気持ち悪いか、こんな話?」


「いや、ビックリしただけ」


俺が何も言わないから心配そうに聞いてくるが、ホントにビックリしただけ。まさか槙音がなぁ。


「で?相手は誰とか聞いてもいいわけ?」


できれば知りたい。こんな男前を落とす男なんて。すると急に槙音の顔が真っ赤に染まる。そんなに恥ずかしいか?


「な、えっと…」


「別にいいだろ?減るもんじゃないし」


そんな問題じゃないっていうのはわかるが、言い渋れば言い渋るほど聞きたくなるのが人間の性だ。諦めずにしつこいくらい聞くとやっと槙音は口を開いた。


「おっお前だよ!気づけバカ!!」


は…?俺?…ありえない。だって俺は自分で言うのもなんだが、平々凡々の代表みたいなヤツだ。槙音と友達やってるのが不思議に思えるくらいに。惚れられる要素が見当たらない。槙音はアタフタしながら真っ赤な顔で必死に何か言おうとしているが、残念ながら『えっと』とか『その』とかしか言えていない。


「今日はエイ、エイプリルフールだからな!だっ、騙されたかっ!!」


そう言って走り去る槙音。捨て台詞がそれですか。さっきの反応を見るとどうやら俺を好きだと言うのに嘘はないらしい。それで、わざわざ決行をこの日にしたのか、俺の反応によっては嘘ってことにして無かったことにするために。だけど、俺はそんなに優しくないから無かったことになんてしてあげない。さっきのはかなりキたからな。明日になったら、エイプリルフールなどと言い訳できない状態でもう一度俺のこと『好き』って言わせてやるから。覚悟しとけよ。




.

結局主人公の名前は出てこず…。


楽しんで頂けたでしょうか?


突発で1時間ほどで書き上げたので酷い仕上がりかもしれませんが、気に入って頂けたら幸いです。

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