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第5話 チートステータス(1話飛ばしてました。ここから割り込んでます)

 200年以上前、人類は環境の変化によって暮らせなくなった大陸を離れ、ここアース大陸群に上陸した。


 アース大陸群は、主に温暖で自然豊かな3つの巨大大陸で構成されており、人類が生活する環境としては非常に優れていたのだ。


 そして、人類は1つの大陸につき、1つの国を建国した。


 西の大陸には、魔法と機械が共存する国『魔機成マキナ王国』


 南の大陸には、魔法産業や技術に特化した国『血脈魔帝国けつみゃくまていこく』


 そして、現在アルがいる東の大陸。物理型の戦士こそが美徳とされ、剣神スザクが統べる国『極東大地上界剣神領域』通称『極東領域』


 三国は、いずれも独自の色を持った国であったが、国としての発展スピードはどれも遜色なく、互いの力関係も均衡を保っていた。


 開拓初期、人類はどの大陸でも沿岸部で暮らしていたが、領地拡大のため徐々に内陸部の開拓へ着手し始める。


 しかし、内陸部の開拓は順調には行かなかった。


 内陸部には大陸独自の進化を遂げた巨大な蟲が生息しており、縄張りに侵入しようものならたちまちに捕食されてしまったからだ。


 そこで役に立ったのは、各国で腕に自信のある猛者たち。


 猛者たちが食人巨蟲達の討伐に乗り出したおかげで、内陸部の様子が少しずつ判明することとなる。


 主だったトピックは2つ。


 まず、内陸部は完全に食人巨蟲の縄張りと化していて、この世の地獄のようだということ。


 その一方で、食人巨蟲の巣には人類が今まで見たことも無い資源が豊富に蓄えられており、巣の攻略は各国、ひいては人類の発展に確実に繋がるだろうということ。


 それを知った各国の上層部は更なる繁栄を目指し、大量の猛者達を組織し、食人巨蟲の巣の攻略を開始した。


 そこで回収された資源は非常に高値で取引され、猛者たちは一代で財を成した。


 これがきっかけとなり、各国で一攫千金を目指す者が爆発的に増え、更には3つの大陸を股に掛けての冒険を希望する者も現れ始めたため、猛者たちの名称を『冒険者』に統一。


 それに合わせ、冒険者たちを管理・支援する組織『冒険者ギルド』も立ち上がった。


 これが約50年前の出来事。


 今では、大陸の沿岸部では多くの人間が安定した生活を送り、その一方で、一攫千金を夢見る者たちは、日夜大陸の奥地へと冒険に出るという生活が、アース大陸群での日常となっていた。


――

―――


「変なものでも食べたかなぁ」


アルの独り言に答えるかのようにギュルギュルと音を立てるお腹。


道から外れ、茂みの陰で本日3度目の用を足しながら考える。


「昨日の夜食べた牛肉、もっとちゃんと焼いた方が良かったのかな」


ジケニアの町を追い出されたその夜、寂しさを紛らわすために、早速牛肉を調理したのであった。


「もしかしたらステータス異常になってるかもしれない。確認してみるか……【チェック・ステータス】」


アルが【チェック・ステータス】と唱えると、目の前にアルにだけ見えるに半透明の板が出現し、その盤上に様々なステータスが表示された。


―――――――――――

状態:健康

能力値:

STR: 8

VIT: 7

AGI: 9

INT: 501

RES: 367

SEN: 448

―――――――――――


「状態は健康か……って、アレ!?能力値がおかしくなってる!?」


生まれつき体の弱かったアルは、能力強化の鍛錬はできなかった。そのため、自分のステータスに興味はなかった。


冒険者なら命に関わる数値も、村で争いとは無縁の暮らしをしていた者にとっては、知らなくても日常生活に支障はない。


しかし、そんなアルですら、今見ている数字が明らかに異常値だということは分かった。


「何度やり直しても同じだ……。INTから下の数値がおかしい」


【チェック・ステータス】を何度か繰り返して唱え、表示を更新してみたが、結果は同じだった。


「この左腕と何か関係があるのかな」


ゾーイに 『呪われた左腕』と言われてしまったこの気味の悪い左腕は、アルの思いとは裏腹に、今もローブの下で蠢いている。


(動くなよ!お前のせいで殺されかけたんだぞ!)


 アルはどこにもぶつけられない苛立ちを、呪われた左腕に向けた。


 すると不思議なことに、左腕に生えた触手や羽などの虫の欠片達はピタリと動きを止め、動かなくなった。


(あ、あれ?モゾモゾしなくなった。まぁこの方が好都合ではあるな。例えローブを着ていても、動かれるとバレそうだし)


 心配事が1つ減って頭がスッキリしたからなのか、昔の記憶が蘇る。


「あ、そうだ。そういえば昔、村長に能力値の意味を教えてもらったな……」


アルの両親は冒険者として食人巨蟲を狩って生計を立てていたが、アルが幼い頃、冒険中に命を落としてしまった。


それ以来、村長が親代わりとなり、様々なことを教わっていた。


「確か……STRは筋力、VITは耐久、AGIは敏捷、INTは魔力、RESは抵抗力、SENは感覚・魔法の質。それと、成人の正常値は、どの項目でも7から25程度……だったかな」


 村長に教わった内容を丸暗記していたアルは、それをそらで復唱した。


「ふぅ……だいぶスッキリしたな」


デリケートな部分に当てても問題のない草で、お尻を拭きながらボヤく。


「改めて見るとスゴイ数値だけど、魔法系かぁ……どうせだったら物理系の能力値が上がって欲しかったな」


能力値で覚醒した項目は、『魔力』『抵抗力』『感覚・魔法の質』の3項目で、いずれも魔法に関する項目。


「僕、1つも魔法覚えてないから魔力とか上がっても意味無いんだよな。物理系だったらすぐに食人巨蟲と戦えるんだけど……」


ローブを羽織り、左腕の露出が無いことを確認して、アルはザイン村へと向かう道に戻った。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

読んでいて


『全ての状態異常がう○ちで解決すればいいのに……』

『ピーキーな能力大好き!』


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