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第26話 講習会①

「今年もダラけきった面ばかりじゃねぇか。聞く態度がなってねぇ……ちょっと気合入れるか」


 明らかに強者の風格を漂わすその男は、ブツブツと独り言をつぶやいた後に、大きな声で新人冒険者たちに挨拶をした。


「おはよう!可愛いヒヨッコども!」


 鼓膜に圧力が掛かるのが分かるほど大きな声と気迫に、部屋中の新人たちは驚いて姿勢を改める。


「なーんだそのビビった顔はよぉ。情っけねえな。今年も期待外れ――っと思ったら、何人かは涼しい顔してるじゃねえか!ガハハ!結構結構!よっし!始めるぞ」


(そりゃ急にデカい声出されたらビックリするだろ!あー、耳がビリビリするよ)


「俺は教官のバオブーンだ。今日の講習会を担当する。てめえらが生まれる前から食人巨蟲を殺してるプロだ。質問は一切受け付けねぇ。そこでアホみたいに聞いて全部記憶して帰れ」


(『俺の言うことは全部正しい』てとこか。まぁそうだよね。強そうだし、というか教官だし) 


 強烈な挨拶に始まり、10代の血気盛んな若者たちに刺さる安い挑発を繰り返していく内に、やる気なくそっぽを向いていた新人たちの視線がバオブーンに集中していく。


「まずは冒険者ランクについてだ。ランクは下からE・D・C・B・A・AA・AAA・かなめの8つだ。巣に潜るためにはDランクにならねぇといけねぇが、安心しろ。EからDに上がるためにはこの講習会に参加するだけで上がれる。どんなバカでも雑魚でもクリアできるってことだ」


 なおも煽り続けるバオブーンに、アルの斜め前で聞いていた新人冒険者から殺気が放たれる。よくよく周囲を見渡すと、教官の発言に青筋を立てている人が何人かいた。


「おう、ちなみにCランクからはそんな甘かねぇぞ?ちゃんと試験があるからな。ちゃーんとお家でお勉強してくんだぞ?んん?」


 バオブーンは油ぎった髭面を思いきり崩して、新人冒険者をおちょくる。


「それと、D・C・Bランクは攻略済みの巣だけしか行けねぇ。Aランクまで上がれりゃ未攻略の巣にも行くことができるが……まっ、お前らには()()()()()()か!ワハハ!」


 左隣の冒険者の背中が、寄りかかっていた壁から離れ、右手がそっと剣の柄に置かれる。


「よしよし!だいぶ良い面構えになってきた。冒険者たるものそうじゃねぇとなっ!ウハハ!」


 既に大広間は戦闘ビギナーなアルにも分かるほどピリつき、一刻も早くこの場から立ち去りたいと思えるほどだった。


「うっし、次は食人巨蟲についてだ。歴史を語るつもりはねぇ。俺は実戦的なことだけ話す。こっから本番だぞ?よーく聞いとけ?」


 バオブーンは今までの様子と打って変わり、真剣な様子で話し始める。


「まずは種類だ。現在確認されているのは3体。バッタと蜂を合わせたような特徴を持つ『突撃種とつげきしゅ』。蜘蛛に虫の羽を付けたような特徴を持つ『飛行種ひこうしゅ』。芋虫に大量の触手を生やした『毒狩種どくがりしゅ』だ」


(毒狩種……村長に話だけなら聞いたことはあったけど、どんな敵だっけかな?)


 すると教官補佐のような男たちが、巨大な羊皮紙が打ち付けられた立て板を静かに運び込み、バオブーンの傍にセッティングした。


(あれは……食人巨蟲の絵だ!)


 羊皮紙は3枚あり、そのうちの2枚は突撃種と飛行種が描かれてあったため、もう1枚に描かれた謎の生物は毒狩種であろうとアルは予想する。


(確かに芋虫に大量の触手って見た目だ)


 アルはバオブーンが話していた食人巨蟲の紹介を思い出しながらじっくりと絵を観察した。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

読んでいて


『武闘派な連中が講習会のために集まってるのは異様な光景だな』


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