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第10話 食い破る

「ねぇ、今気付いたんだけど、死体の内蔵が全然無いと思わない?」


リセチがそう話すと、アルは恐る恐る足下の死体の空洞部分に目をやる。


すると、空洞内部にも付近の地面にも、内蔵がほとんど見当たらないことに気づく。


「確かに。見た感じ内蔵はほとんど無いですね。僕、死体見たの初めてなんですけど、お腹にこういう傷のある死体って、普通はどんな感じなんでしょうか?」


アルの疑問に、待ってましたと言わんばかりにテテチテが答えていく。


「アルぅ!良い疑問だ!その疑問、戦場で死体をたくさん見てきたこの俺っちが答えてあげよう!普通、体にこれだけ大きな穴が開いたら、内蔵は全部出ちまうもんだ!しかし、この村の死体の内臓はあまりに無さすぎる!1週間以上も放置されてたから多少は溶けたり喰われたりするだろうが、それを考慮しても、跡形も無さすぎるぜこりゃ!」


「なるほど。じゃあこの村の死体って不自然なんですね」


その通り、とテテチテは腕を組んで頭を大きく縦に振る。


「ねぇ、アル君」


リセチはまた何か見つけたようだった。


「ん?」


「この死体、内側から爆発してるかも。皮膚とか骨が外に向かってる」


アルが眉間に皺を寄せながら大穴の傷を見ると、確かにリセチの言う通りだった。


気になったので、他の死体もチェックしてみたが、同様の結果だった。


謎が増える度、徐々に緊迫した空気に包まれていくが、この男だけはあっけらかんとしていた。


「もしかして、中から何か飛び出してたりして!ヤッホーってな具合にさ!って、そんな訳無いか!」


テテチテが冗談ぽく言い放つと、アルが真剣な眼差しで答える。


「……テテチテさんの言ってること、あながち間違いじゃないかも」


「そりゃそうだよな!冗談冗談……って、え?」


アルは自論を2人に語った。


「背中までは貫通していないお腹の空洞。消えた内臓。内部から爆発した跡……。もしかしたら村の人たちは、食人巨蟲に卵か幼虫のようなものを植え付けられて、それがお腹を食い破って出てきたってことはないですか?」


リセチは眉間に皺を寄せながら答える。


「うげぇ……それ最悪ぅ。でも食人巨蟲が人間を苗床にするなんて話、聞いたことないなー」


「俺っちも聞いたことないぜ?」


2人の返答に頭を悩ませてると、突然アルが苦悶の声を挙げ、右手で頭を抱えてしゃがみ込んだ。


「……ッ!まさか!そんな……」


「ア、アル君!?どうしたの?」


「この腐敗臭が原因じゃないか?慣れてきたとはいえ、やっぱり凄い匂いだしよ!頭痛でも発症したか!?よし、リセチちゃん!一旦みんなで村の外へ避難だ!」


テテチテがしゃがみ込んで動かないアルの左腕を掴もうとした瞬間……


「触らないでください!」


アルが身を捩って左腕を触られないよう庇った。


「ご、ごめんな。どうした?怪我でもしてんのか?」


テテチテがオドオドしながら聞くと、アルは我に返った。


(あぁ……しまった。明らかに怪しい態度を取っちゃったよ。どうしよう……)


「えぇっと……」


「言いにくいなら、言わなくてもいいんだよ?アル君」


「いや、ちゃんと話させてほしい。ただ……」


 アルが言葉を詰まらせていると、リセチは緊張の面持ちで繰り返す。


「ただ?」


「嫌われないか不安で……」


 診療所の女やゾーイの顔がフラッシュバックする。


「うーん……。まだアル君の話を聞いてないから『絶対大丈夫!』とは言えないけど。何か悪事でも働いたの?」


「ううん。そんなことしてないよ。でもジケニアの町で色々あってさ。ちょっと話すのが怖いんだ」


「そうだったんだ……。でも悪いことしてないなら、アタシは嫌いにならないと思う!」


 リセチは安堵した表情でアルに元気よく答えると、テテチテも続く。


「そうだなリセチちゃん!アルとは昨日知り合ったばかりだけど、悪いやつじゃないってのは分かるぜ!」


「2人とも……ありがとうございます」


(この人達なら、大丈夫……か?)


 アルは頬を赤らめながら小さなお辞儀をした。


「じゃあ……話しますね」


「うん」「おうよ!」


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

読んでいて


『内臓食い破って出てくる系……まさにエイリアンだな!』


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