序章:魔力操作その2
体内の魔力を感じるとは
前項で、生命活動で自然と魔素が体内に取り込まれるといった説明をしたが、その体内に入った魔素が様々な体液が結合する事で魔力へと変換される。
しかし、体内に取り込まれた魔素が全て魔力に変換されるわけではなく、魔素と体液を混ぜ合わせる意志と感覚が必要である。
もしくは、魔力枯渇の際に脳内の生存本能刺激され、無意識レベルで魔力への変換を行う。
魔力を感じるというのは、体液が身体中を駆け巡る際に、血液の中に砂が混ざっているような感覚や、筋肉が分解再生を目まぐるしく繰り返すような疼き、内臓の活動が鈍化して体内が冷たくなるような圧迫感など、個人により感覚は異なるが、このような不快とも思える感覚は魔力が生成される際に必ず起こる現象である。
この感覚は鍛錬を繰り返す事により、不快感の中に魔力の火種のような物を感じ取るようになる。
更に繰り返す事で、感覚的な魔力の火種は大きな水晶の柱がそびえ立つかの様になる。
やがてその柱は溶け出して、まるで水銀が体内を駆け巡るような纏わりつく鈍重さを常に感じる。
その鈍重さを感じなくなり、全身の体液の流れを自由自在に動かせるような感覚を掴めると、体内の魔力を完全に制御できている証である。
また、魔力操作の鍛錬は
不動での精神集中、
規則的な動作を延々と繰り返す、
魔力の流れの速さを意識的に変えてみる。
魔力の流れをイメージする。
といった形を、日常的に繰り返す事で少しずつでも確実に成長を望める。
ここまでが、魔力変換と鍛錬であり、魔力操作をするための基礎が完成したと言える。
次は「魔力操作」について解説していく。