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Last Smile  作者: 町田竜祐
7/22

友の死

「強!?どうした!?」

洋介は山の上の強の異変に気が付き、声をかけた。

「…康次だ…」

「何?聞こえねーよ!!」

「康次だ!!!」

強は語気強く言った。

「衰弱しきってる!!冷てぇ!!体温がねぇ!!なんかあったけぇもの持ってこい!!」

康次は「…ぃぃんだ」とだけ語気荒い強に言って、「洋介を…」とだけ言った。

「洋介!!」強は叫んだ。「話があるそうだ!!」

洋介は走って駆け寄った。

洋介は衰弱しきった康次を見て、手を握り、「今、暖かくしてやる」と言った。

だが康次は黙って首を振ると、「…話を聞いてくれ…」とだけ言った。 

 

 

「…広一は…死んだ…。おそらく、孝志と和也も……」

康次はゆっくりと消え入りそうな声で喋りだした。

洋介と強はただ呆然と聞いていた。

「…みん…な…すまないと…思っ…て…いるん……だろう…な……」

康次は洋介に向かって手を伸ばした。洋介はしっかりと握り締める。

「…お、俺は…お…前に…嫉…妬…してい…た……。リー…ダー…として…は…情け…ないのに……もかかわらず……みん……な…に…慕わ…れ…た…お前…に……。……す…ま…なか……った……」

洋介は手に力を入れて、「馬鹿!!今そんなこというんじゃねーよ!!」と言っていっそう強く握り締めた。目には自然と涙が溢れていた。

それを見た康次も目に涙を浮かべた。

そして最後の力を振り絞って、

「俺は……俺は………」

と唇を動かしたが、「俺は」の後に何を言ったかは聞き取れず、康次はゆっくりと目を閉じた…。

洋介は体を震わせた。

強は近くにあった瓦礫を悔しさで蹴った。

「あったかいものできたよぉ!!」

山の下で叫んだ諒子の声が切なかった……。

 

         【残り8人】

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