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Last Smile  作者: 町田竜祐
4/22

発端

神殿を出たあと、一同は歩き続けた。

歩き続けて、試練なのにもかかわらず何も起こらないので油断したのかもしれない…。

一同は12人で少しの休憩時間にしたのである

確かに12人で…

 

 

 

だが…!!

 

 

 

「広一がいない!?」

洋介は驚いて竜に聞いた。

「あぁ…少し目を離したすきにいなくなっちまった!!」

竜は慌てて答える。

「どういうことだ?いったい、どこへ!?」

洋介は辺りを見回しながら、「広一!!」と叫んだ。

「みんな落ち着け!!とにかく手分けして捜そう!!」

副リーダーの康次は素早く3つの班に分かれさせた。

「…とりあえず、茜の記憶は洋介にしかないようだから離れさせてはダメだ。そして力のない茜を守るために、竜と強を同じ班に。あとは諒子をいれて1つの班だ。

次の班は、謙治、絵里、和義の班。

そして残った孝志、和也は俺と。」

茜というのは、あの少女の名前である。

「よし、わかった!!手分けして捜し、1時間の間隔でまたここに集まろう!!

行動開始!!」

 

 

 

「しかし、ただっ広ぇ世界だぜ…」

康次は呆れながら言った。

「広一はいったいどこにいってしまったのでしょうか…?」

和也が心配そうに康次に聞く。

「知らねぇよ、俺に聞くな!!」

康次は語気強く言い放った。

「…じゃがの…」

孝志の言葉に2人は振り向いた。74才になるこの白髪の老人は豊富な経験でメンバーからの信頼を集めていた。

「この世界で死ぬと、どうなるか知ってるか?」

孝志の言葉に対し、すぐさま和也が答える。

「ど、どうなるんですか?」

孝志は和也をチラッと見ると、声を落とした。

「あの世にもいけず、蘇ることもできず、永遠に闇の中を彷徨うんじゃて…。」

2人の背筋に寒気が走った。

その時、右の方向に何か大きい生きもののようなものがいた気がした…

康次が右を向くと、何もなかった……

「こ、康次さん…」

和也が康次の肩を叩いた。

「ど、洞窟ですよ…」

 

 

 

「洞窟?」

康次は息を飲んで入り口付近に立ち中を見た。

「暗いし、深いな…こりゃ」

康次は2人のほうに振り向くと、

「とにかくみんなを連れて入ってみよう!!」

と言った。これに対して和也が強い口調で言った。

「みんなって…!!みんな集まるまで時間かかりますし、もしこの中に広一がいたら…」

和也は口をつぐんだ。

康次も少し不安になっていた。

先程、右に感じたでっかいイカやタコのような生きものはなんだったのだろうか?

気のせいなんかじゃない気がする…と。

「入ってみよう…」

康次はゆっくりと言った。

「ただし、広一がいないようならすぐさま出る。」

 

 

 

いりくねった迷路のような通路、湿った床、カビの匂い…

洞窟の中はひどかった。3人は何回も吐き気をもよおし、極端に暑い中汗を拭いながら奥へ奥へと進んでいった…。

しばらく歩くと光が見え、広い袋小路に出た。

大きな泉があるが、その水は決して飲めそうではなく、ピンク色に濁っていた…。

「なんだ、ここは?」

そう康次は言うと、水面に顔を近付けた。

自分の顔が反射している。

あとの2人も水面に顔を近付けた。

「何も見えませんね。」

和也はそう言って、体を仰け反らせた。

「………ちょっと待て!!」

孝志は何か思いついたような口調で言った。

「…どうした!?」

康次は驚いて孝志を見た。

孝志は指で康次の水面を指し示した。

「そ、それ、顔じゃないか?」

康次は自分の水面を見て、「俺の顔が歪んで見えるだけだろ」と言った。

「おかしいですよ…。」

和也は即座に答える。

「だって僕達が覗いた水面は濁りすぎて顔なんか見えないんですよ!!」

康次は慌てて別の場所の水面に近付けた。顔は映らなかった。

「ちょ、ちょっと待て!!それじゃ、この顔…」

3人は顔を見合わせた。

「広一ぃ!!」

和也は水の中に手をのばした。が、孝志はその手を抑えた。

「俺がみんなを読んでくる!!おまえら動くんじゃねぇぞ!!」

康次はそういって、元きた道を走り出した。

 

「広一!!広一!!」

孝志に押さえ付けられた手を必死に振りほどいて、和也は手を水の中に入れた。

 

その時…!!

 

和也の手に何かが絡みついて、和也を水の中に引きずり込んだ……。

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