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異世界行きの切符がコンビニで買えるなんて  作者: ツノシマノボル
2章 最初の異世界
7/9

祭り会場までのデート

道中のフルールとの会話が楽しすぎて、このまま着かなくても良いんじゃないかとすら思った。


しかし、会話の途中途中でボディータッチをしてくるのはやめて欲しかった。

異世界の人に好意を抱いてしまうのは良くない。


しかも今回はトラブルに会い、元の世界に帰還する予定もある。

それがいつになるか、はっきりとはわからないが、[体験版]と言っていたからにはそう先のことではないはずだ。


フルールと適度な距離を保ちつつ歩き続けると、道の先から音楽が聴こえてきた。

どうやら祭り会場が近いらしい。


「そういえば、今やってるのはどんなお祭りなんですか?」


牛追い祭のように怪我をする恐れがある類のものなら注意が必要だ。

名前からその危険度を予測することもできるし、内容まで聞ければ予測の精度は上がる。


「今やっているお祭りは感謝祭ですよ。収穫物などを神様に捧げて、今年の実りに感謝して来年の実りを願うんです。

まぁ最後辺りに感謝祭っぽいちょっとした儀式がある以外は食べたり飲んだりするだけなんですけどね。」


大げさな身振り手振りを交えながら楽しそうにフルールが説明をする。


感謝祭か、大丈夫そうだな。

たしか元の世界の感謝祭は七面鳥を逃がしたり、みんなで料理を食べたりする平和なイベントのはずだ。


まずは祭りで異世界という物に慣れて、十分に慣れた頃に説明書きにあったトラブルが発生するということか。

それならば尚更祭りでは英気を養っておく必要がありそうだ。


しっかり準備を行おう。

まぁ本当にお腹も空いてきた頃だし、フルールと食事を楽しむのも悪くない。



安心してフルールとの談笑を楽しんでいると、あっという間に祭りの会場に着いた。


どうやら会場は壁で覆われていて、出入口は1つのようだ。

出入口には2人の守衛もいる。

この様子だと周囲から動物、あるいはモンスターが来ても祭り会場の中には入れなさそうだな。

これなら安心してフルールとの食事を楽しむことができそうだ。


真面目に警戒しているのか固めの表情をしている守衛にもフルールは笑顔で話しかける。


「こんにちは。西区から来たフルールです。今日はお友達も一緒に祭りに参加しに来ました。」


そう話すと守衛の一人が俺を見た後、質問を投げかけてきた。


「こんにちは、フルールさん。お友達は見慣れない方ですね。最近この島にやって来た方なんですか?」


初めて会ったときのフルールといい、この守衛といい、この島の人は島民の容姿をだいたい把握しているのだろうか。この島の住民でないことをすぐに気づかれてしまう。

小さい島だから島民が少ないせいなのか。

いや、おそらくは服装のせいなのだろう。フルールの服装から推測するに、俺の服装はこの島の服の系統とは異なっているんだろう。


余計なことを考えているせいで返答が遅れていると、見兼ねたフルールが代わりに返事を始めた。


「この方はゲンナイさんで、海の向こうからいらっしゃった方です。

訳あってこの島にたどり着いたとのことなので、私がお祭りに誘ったんです。」


そう答えると固い表情だった守衛の顔がパッと明るくなった。


「そーかいそーかい、それは良いタイミングでいらっしゃった。

今日はお祭りを存分に楽しんでいってくれな。」


明るくなった上に物凄くフレンドリーに守衛が俺に話しかけてきた。

肩をバンバン叩くのは止めて欲しい。しかし揉め事は起こしたくないので愛想笑いで済ませることにした。


バンバン攻撃が終わった後、祭り会場への扉が開かれた。



〜次話の内容は〜

儀式が始まります。

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