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偵察
「さてはて。“あれ”はどうしたものかね」
原生林の森を歩くこと2時間。
へとへとになりながらようやく村らしき集落を発見したカズヤは召喚した双眼鏡でそれを眺めながらそう呟いた。
「いやー異世界に来たのは知っていたけどまさか魔物がいる世界だったとは……てっきり時代が前後してるだけで地球と同じような世界だと思ってたわ」
双眼鏡の先に写るモノ。
それは緑色の体皮に小柄な体、そして醜悪な顔をしたゴブリンの群れであった。
「あれって配下に出来るかな?――……うわっ、胸くそわりぃな。皆殺しだなありゃ」
ぶつぶつと独り言を呟いている最中、ゴブリンの集落の中に汚濁に汚れた女性の姿を視認したカズヤは友好的な手段では無く暴力的な手段でゴブリンと接触する事にした。
そしてそのための準備を始めるのであった。




