6話 対の守り石
[オイ、ライル出かけるぞ!とっとと起きろ。]
ドン!!!
『イッテー、もう少し優しく起こしてよ、痛いよ。』
[すぐに起きないお前が悪い]
今のが最初だよ・・・
『イテテそういえば、父さん昨日作った武具どうやって神殿に運ぶの?今日は天祭だから馬車動いてないよ。』
[しまった‼︎]
『まさか‥なんの準備もしてないの?どうするのさ』
[こうなったら・・・・・自力で運ぶ!それしかない!]
『そんな〜、ここから神殿までそれなりに距離あるよ、無理だって。』
[なんのために今まで鍛えてきたと思うんだ。こう言う時のためだろ。]
違うよ、鍛冶の為だよ
『は〜〜、久しぶりに母さんに会える日、しかも天祭があるのにな〜』
(父さんに怒りの目を向けてやる)
じと〜〜〜
じと〜〜
じと〜〜
じと〜〜
[悪かった、そんな目で見るなよ。せっかく母さんに会えるんだぞ、それに浮いた馬車代お前にやるからそれで屋台見てこい。]
『はー、しょうがないな。許してあげるよ♪♪』
何買おうかな!
食べ物もいいけど玩具も良いし迷うなー♪
[よし、じゃあ朝飯食ってすぐ出かけるぞ]
『分かった!』
ーその後僕と父さんは神殿に納める武具を荷車に乗せて家から神殿まで歩いて行った。ー
[やっぱり、人が多いな。早めに来て正解だな。]
『は〜〜やっと着いたよ、疲れた〜』
[まだまだだなこれくらいで疲れるなんて。これじゃあ、母さんの武具を作るには百年早いな]
『そんなことない!!直ぐに母さんの武具作れるようになってやる!』
[そうかい、まっかんばれ]
まあ、あいつ才能あるからな。このまま行けば五年あれば一人前かな、
口には出さないがな
『クソー』
[俺は到着の報告と武具の扱いを神殿で話して来るから、祭りでも見てこい。二時間後くらいに神殿の入り口に来いよ!]
『やったー!』
[後で母さんとも会って祭り行けるかもしれないから小遣い全部使うなよ。]
『うん、わかった!』
天祭か、年二回ある祭りの一つで女神様が世界に加護を与えてくれた日でそれに感謝する祭りらしいけど、そんなことよりも楽しみなのは屋台だよね。
見た感じ、殆んどお店やってないみたいだけど・・・
『あっ、守り石が売ってる。』
守り石は魔核を加工して作る物で元の魔物の種類によって色々効果が有るらしい
[坊や、いらっしゃい。なにが欲しいんだい]
『おじいさん、お母さんにお土産買いたいんだけどなにが良いかな?』
[いい子だね〜、親孝行な子供がいてお母さんは幸せだね。]
『普段なかなか会えないから、…今日は三ヶ月ぶりに会うんだ』
[そうかい、それは良かった。どんな守り石が良いかね。・・・・・・・・・・・・これなんかどうだい?双飛竜の魔核から出来ていて二つで一つの守り石なんだよ]
『どんな効果があるの?』
[これはどんなに距離が有っても文字のやり取りが出来るんだ。]
『凄い!!そんな守り石があるなんて。でも高いんでしょう。僕、銀貨50枚しか持って無いんです。』
[良いよ銀貨50枚で、優しい坊やにオマケしてあげるよ。]
『ありがとう!おじいさん』
[それじゃあ使い方を教えるよ。送りたい時はまず送りたい文字を書くんだ、紙でも地面書くものはなんでもいいよ。そしたらその上をゆっくり転がすんだ、そうしたら点滅するから一個守り石を叩くんだ。そうするともう一個の方に文字が送られるよ。ここまでは分かったかい?]
『うん、分かった。』
[そうかい、次は送られた文字を見る方法だよ。文字が送られると守り石が光るから、光ってる守り石を二回叩いて何処でもいいから転がすと送られた文字が転がしたところに写るからね。]
『凄い!凄いよおじいさん!』
[だけどね、一回文字を送ると相手が文字を読むまで文字を送れない、写った文字は時間が経つと消えてしまうんだ。この二つ注意するんだよ。]
『分かったよ!おじいさんありがとう!!』
これで何時でも母さんとやり取り出来る♪♪
[困ったらまたおいで、次の天祭の時もいるからね。お祭り楽しんでおいで。]
『うん、じゃあまたね。』
あっ、お金全部使っちゃった。
ー守り石の屋台ー
[おい、爺さんさっきの見てたぜ。金貨5枚もする守り石を銀貨50枚で売るなんて金持ちだな、そう思わねえかお前ら]
〔そうですね、兄貴〕
ニヤニヤ
[俺らにも恵んでくれよ。そうだな、売り上げ全部貰ってやるよ]
・・・・・・・
[とっとと出せよ、だまってんじゃねぇ、じじい]
ギロ,,
[ひっ、"ガチガチ"ガチガチ"]
なんだこのじじい、震えが止まらない。睨まれただけなのに、こいつは・・・・
[帰るぞお前ら!]
〔兄貴!!〕
情けない、この程度で引くとは。それにしてもさっきの子が神匠の鍛冶師となるのか
お金のレート
銅貨10枚→小銀貨1枚 小銀貨10枚→銀貨1枚
銀貨10枚→小金貨1枚 小金貨10枚→金貨1枚
双飛竜(魔物):トカゲの魔物であるワイバーンの突然変異体で頭が二つある。また魔核が二つある事から元は二体のワイバーンでそれらが融合したものではないかと言われている。ワイバーンの2倍の強さを持つ
飛竜(魔物):トカゲの魔物で小さな村なら三体もいれば滅せるだけの力を持つ