4話 第1章プロローグ〜ある酒場にて〜(改)
主人公とヒロインの容姿を追加しました。
ーある酒場にてー
ザワザワ、ガチャガチャ
店は大勢の人で賑わっていた。
周りが騒いでいる中、雰囲気の違う男女のペアが席で料理を待ちながら会話していた。
男の方は赤い髪、黒い眼で狼の耳が生えていて、
女の方は銀の髪、青い眼で耳が長かった。
「これまで、いろいろあったね。」
『そうだなぁ・・・旅に出てから、もう3年たつんだな。』
「あの時はビックリしたんだから!コッソリ、それも勝手に付いてきて!」
嬉しいような、怒りたいような、複雑な顔で男に言った
『あの時はアレぐらいしないと付いていけないと思ったからな。…………一回断られてるし…』
と男の方は気まずそうにいった
その後、しばらく微妙な空気が二人の間で流れた。
女の方から再び話し始めた
「死んで欲しく無かったから・・・・・・・、それに夢があるって言ってたし・・・。」
『はぁ〜、お前俺の夢なんだと思ってたんだよ。』
「?、鍛冶師になって凄い武器作る事でしょ。それでみんなの力になりたいんだよね。♪」
『ちげーよ!ちょっとずつ俺が言ったこと忘れてるし、しかも肝心な所が全然違う‼︎』
「そうなの?」
『そ・う・だ!俺があの時言ったのは、おま』
[お待たせしました。ラビッツの唐揚げ定食です。]
このタイミングで来るのかよ!
「ライル来たよ!名物 ラビッツの唐揚げ ♪」
『おまえは本当名物料理に弱いな。前それでスライム料理出てきたのに躊躇わないもんな。』
はぁ〜〜〜
「どうしたの、ため息付いてたら幸せ逃げちゃうよ。今回は大丈夫だって!それよりさっき何言おうとしたの?」
『あぁーいや、その、(こんな状況じゃ恥ずかしくて言えねよ)それはな、おまえが無理でももう食べてやらないって話だよ。』
「え〜〜〜、なんでよ。スライム料理は食べてくれたじゃない。」
『だからだよ!、もうあれで懲りたね。分かるか、周りからの好奇の視線を感じながら黙々と味のしないスープを飲む辛さが』
「アハハ・・・あっ、そういえばアレお好みで特製ソース入れて飲む物なんだって。そのままで飲む人はいないらしいよ。」
『まじかーって、なんでおまえその事知ってるのだよ。あの時おまえもそのままでスープ飲んでたじゃないか!』
「あの後お店の人が教えてくれたから。ちなみにソース入れたらとっても美味しかったよ。」
『それなら俺も呼べよ。一人で食うなよ。』
クソ〜あいつらわかってて教えなかったな。
アレはスライム料理を食うことじゃ無くてソースを入れずに食う事に驚いていたのかよ
「そんなしかめっ面しないの、笑って笑って!」
『おまえは本当よく笑うようになったな』
「昔から笑ってたよ。」
・・・いや、昔は違ったよ
『まぁいいや、まずは夕飯食うかって俺の唐揚げがねーよ』
「あー美味しった♪、ライルは名物料理嫌いなんでしょうなので私が食べておきました。」
『嫌いとは言ってないからね。今回のは美味いって聞いてたから楽しみにしてたのに・・・もう一回頼むか。』
「で、ライルの夢は結局何なの?」
うやむやになってなかったー!!
『まあ、それは良いんだよ。一先ずは叶ったから。』
「そうなの?」
『そうだ!、すいませんラビッツの唐揚げ単品ください』
叶ってるんだよ、俺の願いは
ーお前が心から笑った姿を見る事だからー
ラビッツ(動物):ウシガエルぐらいの大きさのウサギで常に数十匹の群れで生活している。とても素早いので捕まえるのが難しい。