境界線の無い皮肉な話

行動を思う者への皮肉な話

空白の研究所。その深くには人間培養機があるのです。実験に使うための人間を作製するために、その人間たちは死に急ぐのですよ。

そこは地獄でした。より優秀な実験体になるために、より早く死ぬために、優秀な部分を切り取り貼り付け。死に急ぐ

私の価値観も歪んでしまったのかな

「偽者まで来ちゃったの？」

そこに居たのは、幽閉している生徒と、幽閉されている教授。この二人も研究所の深層に向かったのですから会ってもおかしくは無いのですね。

「もう管理者から逃げ切れません」

生徒は怪訝な表情をすると、教授の目の前で手を振る。視点をもとに戻したのだろう。意識の戻った教授は周りを見渡している

「偽者、生徒。ここはどうなってんだ」

「教授、時間がないです。いや寧ろ、時間切れですよ」

異端を排除するそれは、もう目の前に