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延命を思う者への皮肉な話
ここは廃校となった大学、僕たちは空白の研究所って呼んでいる。いつかきっとこの世界を僕ら四人は変えるんだ
「ねえ教授、被験者の様子はどう?」
「3年程は遅れたが、様子は問題ないだろう」
ベットに横たわる患者は全く動かないけど、生きているよ。生きているだけだけどね
「本当なら死んでるはずだったんだけどね、凄く苦しいんじゃないかな」
「そうですね、本来は死んでいるはずなのですから。しかし生徒さん、この報復する猛毒薬によって死ぬことの価値が広まるでしょう」
確かに死んでいるのに生きているっていうのは、死の苦しみをずっと繰り返してるのと同じだからね、でも偽者は勘違いしてるよ
「本人しか苦しんでねえ、オレは広まらないと思うな」
偽者は頭を抱えてガックリしてる、教授はしてやったりとニヤリとしてる。これも視点の違いだね
僕はここで案を出すんだ
「自殺できない呪いとかどうかな?」