再会と願い事
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白銀の光が消えたら、そこには困惑している姉妹の姿があった。
「あれ……カイ?…え…なんで」
「実はね、僕らは死んだらしいんです。」
「え?…みんな…ここにいるよ?」
「それは、俺らが連れて来たからだぜ。」
レナの疑問にリクがそう答えると、リンとレナの目から ポロリ と効果音が付きそうな程の大粒の涙が溢れてきた。
連れて来てくれて嬉しいと、二人だけになるのは怖かったと、そう言いながら、二人は泣きじゃくっていた。
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二人が落ち着いた頃………
「そろそろ、話を始めても良いかい?」
そう話しかけたのは神様だった。しかし、先程ここに来たばかりの姉妹は、そのことを知らなかった。
「あら。誰?そこにいるイケメンなお方は。」
「神様だってよ。リン姉達を連れて来てくれたのもそいつだ。」
そこまでリクから聞き出したリンは、神様の方を向いて、
「それで、かみs…「ちょっと待った」…え?」
質問しようとしたのだが、当の本人に遮られてしまった。
「神様って呼ばれるのは居心地悪いから、ソウヤって呼んでくれないかい?」
「ソウヤって蒼夜〜?髪と瞳が青色だから〜?」
そして、神様は呼び方を変えるように頼んできた。レナが名前の由来を聞いたところ、蒼夜は少し渋ってこう答えた。
「う~ん…まあ、君たちなら良いかな。
僕の本当の役割はね、四神の青龍って言ったら分かるかい?ほら、ここに小さな鱗みたいなのがあるだろう?」
蒼夜が指差した目元を見ると、確かに小さな青色の鱗があった。
「で?蒼夜はなんで私たちをここに呼んだのかしら?」
「落ち着いて聞いてね。
君たちを轢いたトラックがあるだろう?実はあのトラックの運転手は、次の日の朝に心臓発作で死んでしまう予定だったんだ。でも手違いで、あの時に発作が起こってしまって・・・。
それで事故が起こって、本来あのまま生きていく予定だった君たちが死んでしまった、というわけ。
本当にすまない。」
「はあ?だったら俺たちは間違えて殺されたってことか?ふざけんなよ!」
「落ち着いて、リク。もう起こってしまったことはしょうがないわ。」
憤慨をあらわにするリクをなだめて、リンは蒼夜に問いかけた。
「それで?私たちはこれから一体どうなるのかしら?」
「申し訳ないんだけど、君たちを元の世界に戻すことはできない。時間を歪めることになるからね。
だから、君たちには別の世界に行って、そこでもう一度生きて欲しいんだ。その代わり、願いはなんでも叶えてあげるよ。」
蒼夜は申し訳なさそうにそう言った。
「何故?蒼夜は神様なのだから、私たちみたいなちっぽけな人間が死んだところで、何の問題もない筈でしょう?」
そう、本来ならばこんなに至れり尽くせりなわけないのだ。神にとって地球上の生物は自分よりもずっと劣っている存在なのだから。私たち人間がアリを殺してしまっても、何とも思わないように。
だからこそ、この状況はおかしい。たった4人の人間なんてほうっておいても良い筈なのだ。
「これは秘密にしておこうと思っていたのだけどな…気付かれてしまったのならしょうがないか。
君たちは、他の人よりも自分たちが圧倒的に勝っていることがないかい?頭が良いとか、運動神経がずば抜けているとか。」
蒼夜の問いに答えたのは、今まで黙って成り行きを見守っていたレナだった。
「あ~確かにうちら4人とも運動神経良いし~、お姉ちゃんとカイお兄ちゃんは、頭も良いよね~。」
確かに、4人は道場で免許皆伝を貰えるほど運動神経も良いし、カイとリンに関しては毎回テストで1位2位を独占していた。(ついでに言うと、この兄弟は超イケメンだ。)
「それは私が加護を与えていたからだよ。」
しかし、それも蒼夜の加護だったならば納得できる。
つまり、ここまで蒼夜が良心的なのは4人が蒼夜の「お気に入り」だから、ということだ。
そして、先ほどさらっと言われた重要な言葉を聞き逃すほど4人は抜けていない。リンが交渉にのりだす。
「それで?異世界へ行くのは納得したわ。さっき言った願いを叶えるというのは、どのくらいまで可能なのかしら?」
「数はいくつでも良いよ。内容は何でも…と言いたいけれど、物は与えられないかな。能力なら大丈夫だけど。」
「そう。ありがとう。」
それだけ言うと、リンは考え込んでしまった。
「リンに任せておけば安心ですね。」
「そうそう。お姉ちゃんはすっごく頭良いからね~。」
「まあ、リン姉は俺らに不利になるようなことは絶対しないからな。」
そうしていると、リンはようやく顔をあげた。
どうやら、3人が話している間に考えがまとまったようだ。
「いくつでも叶えてくれるなら、遠慮なくたくさん言わせてもらうわよ。」
「もちろん。さあ、望みはなに?」
「じゃあ、まずは・・・・・・」
来週からテスト習慣なので、更新はおやすみします。