学校での日常
「あー、うん。まあ、そういう時もあるよ。」
そう言い、友達とニコニコと柔和に笑っている少女は、秋山 凛華。高校3年生である。
容姿は中の上。背は165cmと少し高いが、いたって普通の優しそうな少女だ。まぁ、その優しげな笑顔と落ち着いた雰囲気、そして抜群のスタイルに恋してる男子も少なくない。
(はぁ~…どうして女子って、こんなつまんない話が楽しいんだろ……って私も女子か。うわ~…こんなのと同類とか最悪。)
まぁ、優しそうなだけで、本当に優しいわけではない。あくまで、そう見えるだけである。
(さっさと帰りたい。こんな話こそ時間の無駄じゃん。)
そう思い、凛華がクラスメートにもう帰ることを伝えようとした時、
「おい、リン。俺様がわざわざ迎えに来てやったぞ。早く帰る準備をしろ。」
そう言って現れたのは、一人の男子だった。
彼は神薙 海斗。183cmも身長があり、ファンクラブまである、所詮イケメンである。
「分かってるって、カイ。もう準備は終わってるよ。それじゃ、みんなバイバーイ 。」
「「「うん。凛華ちゃんバイバーイ!」」」
凛華はクラスメートに挨拶をすると、海斗と手を繋いで帰宅したのだった。
この二人は恋人であり、更に家が隣同士の幼馴染である。
そして、靴を履き替えて外に出た二人が声をかけたのは、
「お~い!レナ!リク!」
一組の少年と少女だった。
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少し時は遡り、凛華がクラスメートと喋っていた頃………
「キャ~~!!このクマさんかわいい!!ねぇ、どこで買ったの?」
頬をピンク色に染めてクラスメートに尋ねているのは、秋山 麗菜。高校1年生で、秋山 凛華の妹である。
顔は「よく見たら可愛い」程度だが、152cmの低い身長と、その無邪気な笑顔が、実は人気だったりする。
そこに現れたのは、
「あ、リク!迎えに来てくれたの?」
「…う…ん。掃除…が…終わった…から。」
この無口な少年は神薙 陸斗。麗菜と同い年で、神薙 海斗の弟である。
170cmの平均的な身長で、無表情なのが怖いと言われることもあるが、顔立ち自体は美少年で、笑った顔が見たいと思っている女子は多い。
「じゃあ、一緒に帰ろ!みんなバイバーイ!」
そうして二人は一緒に帰ったのだった。
言わずもがな、この二人も姉や兄と同様に付き合っている。
校舎を出てしばらく歩いていると、
「お~い。レナ!リク!」
麗菜が姉の声が聞こえた方向を見ると、そこには手を繋いでこちらに歩いている、姉と海斗がいた。