一話 夏休み前は忙しい!
わたしは家の中でのんびりしていた。
私は神である。私はいろんな世界のクリスマスやらハロウィンやらの準備の手伝いをする神だ。支度の神と呼んでいる世界も何個かある。でも実際神に決まった名前はない。
そんな私が家でのんびりするとなるとみんなはコーヒーを優雅に飲んでいる風景が思い浮かぶ人が多いだろう。
そんなものじゃない。あなたたちの世界にもあるあれでのんびりしている。
「よし!キルしたよ!残り二人!」
「ナイス!斧使いの方行くから弓使いの方よろしく!」
「任された―!」
「あっ待って、HP残り10しかないんだけど!あっヤバイ死ぬ!ちょっとこっちのチームの誰かに斧使いの方頼んどいて!」
「オッケー!」
みんな大好きゲームでのんびりしてます!
神様がゲーム強いかっていうとそうでもないんだよね。
だってゲームってもともと人間の世界のものだし。ゲームと触れ合う時間は人間の方が明らかに長いからね~
「支度神様。明日から人間たちは夏休みに入ります。出番ですよ。」
「めんど。」
「そんなこと言わずに、仕事始まるのでその試合で最後にして下さい。」
「いやだぁ―――――!次スター様と一戦する約束したんですよ~」
私の言葉はメイドさんには届かず、あっという間に家の門まで引きずり込まれた。
神様にはランクがある。家も名前もないDランク。
創造神様…ことスター様とかかわる権利をもらえるCランク。
家を手に入れる権利が与えられるBランク。
メイドや執事を雇うことができるAランク
そして…名前を与えられるSランク。
私とさっき一緒に遊んでいた災害神はAランクだ。名前以外は何でもある状態だ。
名前を手に入れるのは思っているより大変だ。
神という存在ができて一万年でようやくスター様が神の中で初めて名前を手に入れた。
スター様は最初に生み出された神の十人のうちの一人らしい。
そのスター様でさえ一万年もかけて手に入れた名前を私が数千年で手に入れることができるわけがない。
把持絵に生み出された十人の神は、創造神、破壊神、自然の神、機械の神、命の神、時の神、記憶の神、心の神、光の神、闇の神。
この中の、機械の神、時の神、闇の神の三人はクビになって今は別の人がやっている。
クビになった神は、神の権能を消されて人間として暮らすか、存在を破壊神により消滅し、創造神、命の神、時の神、記憶の神、心の神、によって同じ権能をもった別の神ができ、その神が代役を務めるか。
そしてこの世界をもっと良くしようと考えた光の神が、新しい神を作ろうと言って同じ方法でわたしたちが作られた。今では神は一億人いるんだとか。
最近はクビがまったく出ていない。昔クビになった人は、寿命が過ぎてほとんどの人がなくなっている。
そして今連れてこられた場所は“作業場「遊び室」”
大きな門を通り、大広間に出るとそれはそれは神秘的な広間ですよ。
奥まで廊下のように続いていて、左右に扉がある。すべて茶色の扉だった。しかしその上に
“神の筆”で部屋の名前が書いてある。
“神の筆”とは、紙だけではなく空気や水に字を書くこともできる。
そして“神の筆”は、神の権能を持った人しか使うことができない。
そして、その筆で書いた字も、神の権能をもった人しか見ることができない。
大広間を歩いて私は「遊び部屋」に入る。
そこは大広間の神秘的な空間とは真逆に、バラエティー番組のスタジオのような部屋だった。
奥の部屋に入ると、いつもの部屋についた。最近はイベントが特になかったからちょっと懐かしい気もするけど、やっぱりここに来ると「仕事だー」って思って嫌な気分になる。
今日は強引に連れてこられたから特に嫌な気分。
「はぁ…やりますか!」
私は顔をパンパン!と二回たたいて、“支度”と神の筆で書かれた個室に入り、魔法陣に乗る。
そしたらまた神秘的な空間に戻った。そこはさっきいた大広間ではなく、3.5畳くらいの部屋だ。
部屋の真ん中にある丸い机の形をした地図の前に来て、真ん中にある虫眼鏡マークをクリックし、“夏休み”と検索する。
そうすると、夏休みという制度がある世界がいくつも出てきた。ざっと百個くらい。まあまだましな方。
そして支度の神は何をするかというといろんな神に連絡を取ってあれこれして下さい。っていうのが夏休み前の仕事。
まあ例えば、気温の神様にちょっと涼しくしてあげてください~とか経済の神様にこの期間本気でお願いします!
とか…まあ好き勝手やってるけど一応これでもAランクなんで。
もう夏休みが始まってる世界もあるからそういう世界は直接私が行っていろんな問題を解決してる。
まあだいたいが喧嘩とかだけど…
あっそういえば…今日は私がちょっと気に行ってる世界で魔術祭があるらしい。
「今日はまともな仕事ないし行くか~」
と言って魔術祭がこの日にある世界、まああだ名が“まっこ”なんだけど…
ちなみにまっこは、小魔法の世界 を略してる。
神様からちょっとした人気を集めてる世界だ。
魔法祭が行われる場所の名前とかは詳しくは知らない。
まあ調べたらわかる世の中なんで。
まっこに行くための魔法陣を出す。赤と青に輝く魔法陣だ。
私はその魔法陣に乗り、まっこに行く。
神が見える特殊な人に見つかる可能性があるから身を隠すお面をかぶって、
ついた。
「そろーり…そろーり…」
お面かぶってるのにひそひそ歩いてる。
「プログラム二番 神の呼び出し。今回の魔法祭を見守ってくれる神をたたえる儀式です。」
これを待っていた。
まあこれリハーサルだからまだ呼ばれてないんだけど…
とりあえず風に飛ばされないように屋台を支えたり…
落ちてるガーランドを戻したり…
魔法使いにあこがれて本物の杖を間違った振り方で振っている子供の手を引っ張って正しい振り方を教えてあげたり…
そんな感じでしているうちに本番の二番、神の呼び出しが始まってしまった。
このプログラム二番で毎年神様が見える人が何人か現れる。
お面を外して台に立つと、意外なことに私に話しかけてきた小さな子供がいた。四歳くらい。
「お姉さん。そこ、神様が立つから上がったらだめだよ?」
私が人間だと勘違いして話しかけてきた。
周りの人は困惑している。
「あの子…誰に話してるんだ?」
「まさか僧侶の才能があるんじゃない?」
「またまたwwwそんなわけないでしょ。演技だって、演技。」
いろんな声が飛び交った。
そして私は一言言ってやることにした。
「信じられないかもしれないけど、お姉さん神様なの。君以外のほとんどの人は私のことが見えないんだよ。」
子供をあやすような声で言った。
だいぶ小さい子だったので
「へぇお姉さん神様なんだ!」
くらいで済んだ。
これが大人だったら誤解で死刑とかありえるからな。
あとは僧侶がなんかいろんな話をして終わった。
プログラム二番が終わった後私は屋台に行った。
支度の神がこんなところで楽しんでいいのかって?いいんです。私はスター様と仲がいいのでだいたいのことは許してもらえます何ならこれ以外の仕事終わらせてるしご褒美みたいなものです。
魔法祭なだけって魔法系の屋台が多い。まあ普通の屋台もあるが。
するとさっきの男の子が綿あめを屋台で買っていた。
私はこっそり近づいてしゃべりかけてみた。
「おーい」
男の子はとてつもなく驚いていた。
「はっはははははっははうぃぃぃなんしょおおおおうかぁ」
逆にこっちが驚いたくらいだ。
「何でここにいるのかな?お父さんとお母さんは?」
優しく聞いたつもりが男には怖く聞こえてたようで、
「いいいいまぁあすいやああやいませせんんんんんんん!」
と、また変な声で返してきた。
「いや、お姉さん怖くないから!優しい人だから!」
思わず必死に言葉を発してしまった。
男の子も少し納得したようで
「お姉さん、怒ってないの?」
「うん!うん!怒ってないから!」
「ならよかった~」
男の子は一気に機嫌を直した。正直めちゃくちゃ驚いた。
でもどうしても聞き捨てならない言葉があった
「一人で…ここ…来た…の…?」
男の子には怖い顔をしているように見えたらしい。すると…
「す、すすすすす、すい、すいま、すいませ―――――ん!」
男の子は思いっきり頭を下げた。
いつの間にか真面目に事件を解決しようとしていた私だったのだ。
一部の誤字を修正しました。流月 星




