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第二章エピローグ

 東の国イーストラの名門サイドパーク家。

 その系譜は、四百年前の戦士の王の時代まで遡ることができる。

 中央王国センドダリアの戦士の王の末の王子が当時の東の国に移り住みサイドパーク家を興したと伝承では伝えられている。

 今の東の国には貴族制度は無い。

 二百年前の憑依者戦争の結果、東の国は多くの憑依者を受け入れ、社会制度が大きく変容したのだ。

 その後、東の国の国民は各々で好きに家名を名乗ってもよいことになった。

 しかし、サイドパーク家は、それ以前から先祖として伝えられている王子の名を家名として名乗って誇りとしてきた。

 サイドパーク家に代々伝えられてきたもの、それは家名だけではない。

 大きな蔵の中には戦士の王の時代から伝わる宝物や文書などが収められていた。

 その中に、戦士の王の時代に作られた魔法兵器ゴーレム……ゴリダムも眠っていたのだ。

 数百年の眠りからゴーレムを目覚めさせたのは、サイドパーク家の末子ダンクだった。

 それは果たして偶然の出来事であったのだろうか?



「ダンク君! どこにいるの!?」


 サイドパーク家の広い玄関で、一人の少女が少年の名を呼んだ。

 魔法学校が春休みになり、サクラ・アーキタクトはサイドパーク家を訪問していた。

 アーキタクト家はサイドパーク家と古くから交流があり、サクラがサイドパーク家を訪れるのは初めてではない。

 サクラは遠慮無く屋敷の中に入り、部屋の扉を順番に開けていく。


「あ、ダンク君、ここにいたの!」

「うっせーな……。」


 サイドパーク家の末子ダンクは、屋敷の一番奥の暗い部屋の中で座り込み、サクラの方を振り返って見もせず声だけで返事をした。

 その部屋は、部屋というより物置に近い……。


「あ……、ゴリダム様……。」


 ダンクの目の前には、西の国での騒動で再び動作を停止してしまったゴリラ型ゴーレムの姿があった。

 ゴリダムのボディは相変わらず銀色に輝いていて、一目見てダンクがゴリダムを磨いたのだとサクラにはわかった。

 ダンクの前の動かないゴリダムを悲しみの表情で見つめていたサクラだったが、意を決して言った。


「ダンク君、あのね……! 私、二年生からはダンク君の家から学校に通おうと思ってるの!」

「……はあ!?」


 ダンクは思わず振り向いてサクラを見た。

 サクラの目は本気だった。


「二年生からは寮を出て家からでも通えるようになるでしょ!? それでね、私、ダンク君の家に住まわせてもらうことにしたの!」

「はあ!? 何言ってんだよ、お前!」

「冗談で言ってるんじゃないの! 私、ダンク君の家でゴリダム様の研究がしたいの! そのためにはここに住まわせてもらうしかないと思って!」

「そんなこと、出来るわけないだろ!」

「出来るよ! もうお父様には許可を取ったの! ダンク君のおうちにも許可は取ってあるの! 今日から住むから!」

「な、な、な……!」

「それで、ダンク君も一緒にやろうよ! ゴリダム様の研究を! ダンク君の力が必要なんだよ! ゴリダム様をもう一度蘇らせよう!」

「サクラ、お前……!」


 ダンクはサクラの顔を見た。

 サクラのその真剣な顔は、ゴリダムを失い気落ちしていたダンクの心を光で照らした。

 何を落ち込んでいたんだ、俺らしくもない。

 ダンクは自分が情けなくて笑った。

 こんなことで諦めてたまるか!


「わかった、やろうぜ、サクラ! 絶対にゴリダムを復活させるんだ! 俺たちは盟友だ!」

「うん!」


 ダンクとサクラは堅い握手を交わした。

 二人を見下ろすゴリダムの表情が優しく微笑んだ気がした。


 こうして二人は日夜、一緒にゴリダムの研究を行うようになり、学校でも一緒にいる姿が見られるようになった。

 サイドパーク家とアーキタクト家の両家が二人の関係を勘違いし婚約の準備を進めていたが、それはまた別のお話である……。

ここまでお読みいただきありがとうございます!

第二章、完結です。


第二章のテーマは「少年の成長と自立の物語」です。ダンクが第二章のもう一人の主人公です。


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