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僕に力を……!

 僕らがいる小屋の周りを魔法で操られた村人たちが取り囲む。

 魔物たちは、操られた村人たちの影に隠れてしまった。

 村人たちが虚ろな顔で僕たちを捕まえようと近寄ってくる。


「お、おい、人間相手に魔法は撃てねーぞ!」

「僕に任せろ!」


 ダンクの前に出た僕は、杖を持っていない左手を前にかざした。

 魔物の魔法で操られているなら、スキルで魔法を無効化してやればいいだけだ!

 僕は左手のスキルで村人たちを一人一人横から撫でるように無効化していった。

 魔法を無効化されて魔物の魔法から解放された村人たちが、意識を失ったようにその場に倒れ込んでいく。

 操られている村人の数が多い……!

 広範囲にスキルを使っていっぺんに魔法無効化してやりたくなるが、非効率にスキルを使って消耗したり、また暴走してしまったりしたら打つ手が無くなってしまう。


「なんだかわかんねーけどやるじゃねーか、アスラ! 魔物の方は俺らに任せとけ!」


 ダンクの炎の槍が村人の影に隠れていた魔物たちを仕留めていった。

 使う魔法陣の精度が違うだけで、ダンクでもここまでやれるんだなと僕は感心した。



 体感で十数分くらいかかったが、僕ら魔法使い学科三人で小屋の周りを取り囲んでいた村人も魔物も全て片付けることができた。

 村人全員を僕のスキルで魔物の魔法から解放してやれればいいのだけれど……。

 僕は周囲の家々を見渡す。

 ……いや、余計なことを考えるな、今は僕らの身の安全を優先しなければ。

 村のことは報告して大人に任せておけばいいんだ。


「よし、ゴリダムたちを追おう!」


 僕たちは神官学科のみんなを守るように周囲を警戒しながら、村の出口に向かって走った。

 だいぶ時間をロスしたから、先に行ったみんなはとっくに村を出られているはずだ。


「アスラ見て! あれ!」


 タイムが村の出口を見て叫んだ。

 ゴリダムが農機具を持った村人たちに襲われている!

 そうか!

 ゴリダムは村人たちを傷つけまいとして戦えないんだ!

 それなら僕が魔法無効化のスキルを……!

 いや、ちょっと待てよ!?

 魔法無効化のスキルがゴリダムに当たったら、ゴリダムはどうなってしまうんだ!?

 ゴリダムは魔法で動くゴーレムなんだ!


「アスラ!?」


 僕がスキルを使うのを躊躇していると、ダンクがゴリダムを襲っている村人たちに突っ込んでいった!


「うおおお! ゴリダムから離れろ!!」

「ダンク君!」


 ダンクの放った炎の槍が村人に当たりそうになる!

 しかし、それはサクラの水の魔法によって相殺された。

 危なかった、ダンクが人殺しになってしまうところだった!


「ダンク、落ち着け! あれくらいゴリダムの装甲なら何ともないはずだ!」


 僕はダンクに追いついて、ダンクを止めた。

 村人たちはゴリダムに取り付いて離れようとしない。

 魔物の魔法……、村人を操る魔法を使っている魔物がいるはずだ。

 そいつさえ倒せればいい。

 僕は周囲を見渡した。

 すると竹林の中に一際大きな光る目がこちらに向いていることに気付いた。

 あの目から魔法の気配がする。


「ううう……。」


 ゴリダムが頭を抑えて唸った。


「ゴリダム、どうした!?」

「私に……、私に魔法をかけようとしているものがいる……!」

「は?」


 まずい、ゴリダムが村人と同じように魔物に操られてしまったら大変なことになる!


「ダンク、あっちだ! あの光る目を狙え!」

「あれか!」


 ダンクが炎の槍を竹林の中の光る目に打ち込んだ!

 ボゥと暗闇の中を炎の灯りが照らしたが、残念ながら当たった様子はない。


「ううううう!」


 まだ魔法は継続されているみたいだ。

 ゴリダムが魔物の魔法に抗おうと戦っている。


「おい、アスラ! さっきの村人にやったやつで、ゴリダムを助けてくれよ!」

「ダメだ、できない……! ゴリダムは魔法で動いているゴーレムだ。ゴリダムに向けて魔法無効化を使ったらゴリダムも停止してしまう……!」

「くそぉ!」


 ダンクが叫んだ!

 闇雲に炎の槍を暗闇に向けて連射するが、どこにいるかわからない魔物には当然ながら当たらない。

 僕は慎重にゴリダムに触れないようにゴリダムを襲っていた村人たちに魔法無効化のスキルを使って引き剥がしていったが、ゴリダムに向けられている魔法を打ち消すことはできなかった。


「ダンク……、ダンクの魔法で、私を壊してほしい……。私が操られてしまう前に。」

「何言ってるんだよ、ゴリダム! そんなことできるわけねーだろ!」

「お願いだ、ダンク……。」


 僕らも神官学科のみんなもゴリダムが苦しむ様子を見守るしかなかった。


「ゴリダム様!」


 サクラが涙目になってゴリダムの名前を呼ぶ。


 僕は自動追尾の魔法を作って周囲に向けて撃った!

 ……当たった!

 しかし、ゴリダムの苦しむ様子に変化は無かった。

 まだ、他にも周囲にはたくさん魔物がいるんだ……。

 僕の魔法では、ゴリダムに魔法を使ってる魔物を判別することはできない。

 なんか無いのか?

 考えろ!

 ……そうだ!

 ゴリダム自身に魔法に対する抵抗力を持たせる魔法が作れないだろうか?

 僕はイメージして魔法陣を作り出そうとした。

 ……ダメだ、作れない!

 歴史上の大魔法を再現しようとした時と同じだ!

 これは僕のスキルの限界を超えているというのか!?

 僕の左手のスキルと似たようなもんじゃないか!

 なんで出来ないんだよ!?


 そうだ、スキルだ……!

 スキルがあるじゃないか!

 僕にスキルを与えた者が何者か知らないが、僕にレベル3の力を寄越せ!

 ゴリダムを救う力を寄越せ!!


 その時、僕の右手が光に包まれた気がした……!!

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