表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/127

※ダンジョンわんこ日記 三十五日目<前編>

 真朝が来た。

 マスターは真朝のためにカレーを作ったのだ。吾が生まれるよりずっと前、マスターと真朝と玲奈でよく食べていたのだという。

 美味しそうだぞ。吾も食べたいな!


 カレーはすごく良い匂いがするのだ。

 マスターが流しに向かってドタバタしてたので、吾は後ろで待っていた。

 途中で寝ちゃってマスターに踏まれかけたぞ。もー! マスターはちゃんと後ろを確認して欲しいのだ。カレーを作りながら考えごとしてたから、注意が散漫だったぞ。


 真朝は足を怪我していた。

 吾の『大地の祝福』ならすぐに治せるのにな(チラッ)。

 マスターの友達が辛かったり苦しかったりするのは嫌なのだ。でもマスターには考えがあるみたいなので、今はただ寄り添うだけにしておくぞ。今日は接待じゃなくて、マスターの友達に対する優しさなのだ。


 ゴーストのフヨウが気に入っていた映画を観て、真朝は泣いていた。

 恋愛映画だ。吾はあんまり興味がない。

 やっぱりオルトロス星人が出てくるようなヒーロー映画がいいな。春人達とドライブインシアターに行けなくて残念だぞ。


 ボタンがホラー映画を好きなのはゴーストの仲間が出てくるからかな?

 吾はうちのゴーストは好きだけど、ホラー映画に出てくるゴーストはあんまり好きじゃないのだ。……べ、べつに怖いからではないのだぞ!


 それはそうと、真朝が泣いたのは良いことだったと思う。

 涙は心の汗だからな。ヒーローのレッドが言っていたのだ。


 コーチという人間が来て、真朝は帰って行った。

 コーチは真朝を好きな匂いがしたけれど、マスターには興味がなさそうなので、吾もコーチには興味がない。

 コーチも昔怪我をしたようで、古傷の匂いがしていたのは嗅ぎ取ったけど。


 真朝が帰ってから、吾は残ったカレーを味見させてもらった。

 想像通り美味しいのだ!

 味見だけだとマスターは言うが、吾は犬ではなくて犬型モンスターだから玉ネギも刺激物も大丈夫なのにー。マスターが残り全部食べるのか?


 玲奈も一緒に来ていたら残らなかった、とマスターが呟いていた。

 マスターより細いのに、玲奈はそんなに食べるのか? どこに入るのだ。

 もしかしたら吾と同じボスモンスターなのかもしれないぞ。ダンジョンモンスターに必要なのは魔力なので、食事は少なく済ませることも体以上の量を食べることもできるのだ。


 ……だからカレーいっぱい食べても大丈夫なんだぞ?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ