※ダンジョンわんこ日記 三十二日目
今日はマスターとダンジョンでフリスビーをしたぞ!
マスターは投げるの下手だったから、吾が『騒霊』で飛ばしたのだ。ちょっと制御に失敗したのはごめんなのだ。
それはそれとして、吾はマスターのこと大好きでボスモンスターだからあえて言うけど、マスターはもうちょっと運動をしたほうがいいと思うぞ。
フリスビーを投げるのは下手だが、吾のマスターの魔力は素晴らしい。
だからスライム達の実がどんどん大きくなっている。
大きくなり過ぎたと思ったのか、マスターはミドルポーション+を作ることにしたようだ。
吾はマスターのために影コアを作った。
ちゃんとマスターの前までくわえて運んでいくぞ。
オルトロスモードだと大きいから小さな影コアは運びにくいけど、ちゃんとマスターまで獲物を運んでこそ一人前のボスモンスターなのだ。マスターが取りに来ちゃダメなのだ。
マスターは吾の影コアで、無限にものが入るバッグを作るという。
群れの仲間のためにミドルポーション+を持って帰りたいのだな。
春人と冬人は子どもだし、大家は年寄りだから心配だものな。吾も作ったらいいと思う。
フリスビーを買いに行ったり遊んだりして疲れたので、吾はマスターの膝で丸くなった。
もちろん黒い豆柴モードでだ。
マスターがアイテムコアを作成しているときは役に立てないからな。昼寝して静かにしていよう。でも『MP譲渡』が必要になったら、いつでも起こしてくれていいのだぞ。
しばらくして目を覚ましたら、吾によく似た犬の頭の形をした帽子ができていた。
マスター、すごいのだ!
……あれ? バッグ作るのではなかったのか?
マスターが疲れ切った顔をしていたので、吾はバッグを作る予定が帽子になった理由を聞くのは止めた。
新しい影コアを作ったから、これでなんでも好きなものを作って欲しいのだ。
それに、帽子でも中にものは入れられるしな!