※ダンジョンわんこ日記 五十一日目
今日は昼間BBQをして、夜は花火大会へ行った。
ニコにもA5のお肉を食べさせることができて良かったぞ。
鷹秋は、吾とニコが夫婦になるのではないかと気にしていた。吾らはダンジョンモンスターだから繁殖はしないのだ。
花火はとっても綺麗だったのだ。
でも確かに音がうるさかったので、犬狼型モンスターではなく犬だったら漏らしていたかもしれないな。
吾とニコはボスモンスターだから全然平気だったのだ。屋台の鈴カステラも美味しかったな。春人と冬人が吾らにちょっぴりわけてくれたのである。……もっと食べたかったのだ。
そして、マスターが鷹秋に告白されてつき合うことになった。
フヨウがいたら、目の前で繰り広げられるロマンスに喜んでいただろう。
元気かな、フヨウ。ウメ子もサクラ子も懐かしいのだ。モモ子は鷹秋、ヒマワリとアジサイはお隣ファミリーと一緒に来てたけど。プリムローズはレイスなのに、花火にびっくりしてたな。
これでマスターに赤ちゃんができて、吾とニコがサクラと肩を並べられるのだと思っていたら、赤ちゃんができるのは結婚してからだという。
えー? ネットでできちゃった婚っていうの見たのだ。
結婚しなくても、男とつき合ったら赤ちゃんはできるのではないのか?
ぐぬう。マスターが結婚してから赤ちゃんを作る主義なら仕方がない。
早く結婚して赤ちゃんを作るのだ。
……え? 鷹秋と結婚するかどうかもわからない?
「えー。だったら結婚する男とつき合うのだ」
「そうなのですわ」
「早く赤ちゃんを作るのだ」
「作るのですわ」
マスターは無言で吾らを裏返し、お腹をモフモフし始めた。
こんなもので誤魔化されたりはしないのだ。
吾らボスモンスターはマスターの赤ちゃんを要求するのだ。
「わふー」
「きゃふー」
とはいえ花火大会は楽しかったし、お肉も鈴カステラも美味しかったから、今日のところは誤魔化されてやってもいいかな?
「……ぐー……」
「……くー……」
そのうちマスターに乙女からメールが来たので、マスターが読んだり返信したりしている間に吾らは眠りに就いてしまった。
今日はいろいろあって疲れたからな。
だけど……やっぱり早くマスターの赤ちゃんが欲しいのだ! 兄になったことだし、絶対サクラには負けないのだー。