※ダンジョンわんこ日記 四十七日目
「行くぞ、ニコ!」
「はいですわ、タロ兄様!」
「『騒霊』!」
「きゃっふう!」
今日はサンゴのダンジョンで、ニコとフリスビーをしているのだ。
一昨日ニコが家に来て、フリスビー大会の動画を見た。
だから昨日もフリスビーで遊びたかったのだが、昨日はマスターがフリスビーを持ってくるのを忘れていたのだ。転移でアパートへ取りに帰るという手もあったものの、冬人がニコを気に入って我が家の様子を窺っているので断念した。
昨日遊べなかった分、今日は思う存分遊ぶのだー。
吾らが遊んでいる間にマスターはサンゴとダンジョンの整備をしている。
このダンジョンは食肉ダンジョンになる予定だ。お肉をドロップさせるかどうかは未定だが、エリアボスモンスターを食材で揃えているのだ。
浅い階層から、豚肉、牛肉、鶏肉となっている。鶏肉はヘルシーだから深い階層なのかな?
フロアモンスターも食材だ。
野菜と兎なのである。
昨日はマスターがアイテムコア作成で使うモンスターコアを集めるために、動く樹狩りをしたぞ。今日もするのかな。フリスビーは楽しいが、狩りは狩りで楽しいぞ。
そういえば昨日は動物病院へも行った。
ニコが唸って大変だったぞ。ダンジョンでの暴走生活の傷は深いようだ。
マスターが気にするので、吾は威圧を抑えたぞ。まあ、周りの犬どもがすべてお漏らししているのも楽しい状況ではないしな。
しばらくフリスビーで遊んでいたら、眠くなってきたのでマスターのお腹の上で寝た。
以前BBQを食べたときの夢を見た。
A5のお肉美味しかったな。ニコにも食べさせてやりたいのだ。
そんな吾の願いが届いたのか、マスターに鷹秋からの電話が来た。
花火大会へのお誘いらしい。そういえば前にマスターが玲奈とそういう話をしていたな。
あの後ネットで調べたぞ。空に咲く大輪の花なのだ! 見たいぞ! 吾も見たいぞ!
「花火なのだ!」
「花火なのですわ!」
花火大会へ行くことが決まったので、鷹秋からの電話が終わった後、吾とニコは喜んで飛び跳ねたのだった。
楽しみなのだ!