僕の滝登り
社会には大きな流れがある。
ほら、集団心理みたいなので。
一人が何かをすると、皆が同じようなことをしてたりする。
……僕はその流れに呑まれたくないんだ。
一度流されれば、自分を失ってしまう気がする。
集団に呑まれてしまったら、僕の「ぼくらしさ」が埋没してしまうじゃないか。
ぼくは、ぼくは、ちゃんと自分でものを考えて、自分で自分を生きているのに―
世界の流れは、僕を否定する。
ふざけんな。
愛とか勇気とか幸せとか軽々しく口走るな。
そんな軽いものなのか?
恋人の言葉なんて調子のいいおべっかばっかりなんだぞ。
命の危機が訪れれば、簡単に裏切られるんじゃないか。
夢が簡単に叶うのなら誰も努力しないで済むんだよ。
僕は僕でしかない。
周りは周り。
流されたくない。
氾濫した川を逆流するように。
鯉が滝を登るように。
抗い続ける。
苦しい。
嗚呼、呑まれないといけないのか?
分からない……。
それでも僕は、この滝を登り続ける。
がむしゃらに、いつか龍になれると信じて―――
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