なぜ一行空けて改行しまくるのか?
小説家になろうに投稿されている小説は二つに分類できる。
一行空けて改行しまくる小説と、そうでない小説だ。
先日、私の小説の感想欄に、このような意見が書かれていた(書いてくださった方、ありがとうございました)。
「段落が終わった後、一行空けてみてはどうですか。そうすればもっと読みやすくなります」
……。
なるほど、確かに有名なろう作家さんの作品を拝見すると、そのような改行がたくさんされている。
しかし、私は一瞬納得したものの、すぐに疑問が生じた。
「どうして一行空けて改行すると、読みやすくなるのか?」
「どうして一行空けて改行していないと、読みにくくなるのか?」
私は自分で納得のいく答えが思いつかなかったので、ネットで調べてみることにした。
すると、小説家になろうの活動報告の欄で同じような質問をしている、あるなろう作家さんを発見した。
私はさっそく答えが見つかると思った。
しかし、そこに寄せられている意見は、
「私も読みにくいと思います」
「一行空けて改行するするかどうかは、書き手の自由でいいと思いますよ」
といったものばかりで、具体的になぜ一行空けて改行すると読みやすくなるのかには触れられていなかった。(ここからは表記が面倒なので、一行空けた改行を「一間改行」と呼ぶことにする)
だから私はこのエッセイ……とは名ばかりの質問をここに投稿しようと思い立った。
一間改行をするとなぜ読みやすくなるのか、ぜひとも感想欄に意見を書いていただきたい。
よろしくお願いします。
さて、このままでは冗談抜きでエッセイではなくYahoo!知恵袋の質問になってしまうので、ここからは私が自分なりに考えてみた「一間改行をすると読みやすくなる理由」を二つ書いていきたいと思う。
《一、スクロールしやすくなるからか?》
私が最初にこの問題を考えるにあたって疑問に思ったことは、紙媒体の本では一間改行が全く使われていないということである(もちろん、場面転換を示すときなど、一間改行が読みやすくする以外の目的で使われていることは多々ある)。
どうして紙媒体の本では、小説だけでなく雑誌や教科書も含めて、一間改行がされていないのだろうか?
ということはやはり、私が思っているように、一間改行をすることは無意味なのではないだろうか?
と、私は頭を悩ませた。今更だが、私は一間改行が多用された文章が読みやすいとは思っていない。読みにくいとも思わないが。
私としては、適度なタイミングで形式段落をつけて改行すれば、文章は十分読みやすいものになり、それ以上一間改行をしたところで意味が無いのではないかと思っている。
「そんなことはない」という人がいるとしたら、ではその人は紙媒体の本を読むときに、「読みにくいなあ」と思っているのだろうか。おそらく思わないだろう。そのような人が多いとすれば、とっくに紙媒体の本でもウェブ小説と同じように一間改行が主流になっていてもおかしくないはずだ。
では、紙媒体の本と、ウェブ小説の違いは何だろうか?
そう考えたとき、やはり思い当たるのは「ページをめくる」のか「ページを下にスクロールする」のかの違いである。ウェブ小説はページをめくるということはせず、画面を下にスクロールしていき文章を読む。
ということは、一間改行がたくさんあると、スクロールしやすくなるのだろうか。確かに、一行空欄のところがあれば、そこを目印にしてスクロールをするということが可能になる。
私はさっそく、一間改行がたくさんある小説と、まったく無い私の小説を見比べ、どちらがスクロールするのが楽かを確認してみた。
結果、それほど変わらなかった。というより、私自身はまったく同じように思えた。
要は、空欄を見印にしてスクロールするのか、文字列を見印にしてスクロールするのかの違いしかなく、どちらもスクロールのしやすさは同じように思えた。
読者諸兄姉はいかがだろうか?
《二、文量が少ないと錯覚するからか?》
一間改行がたくさんある小説と、私の小説を見比べてみて思ったことがもう一つある。スクリーンを占める文字の量が少ない、ということだ。
一間改行がたくさんある小説は、文がスカスカに見えて、私の小説に比べて圧迫感が少ない……ような気がする。
つまり、一間改行がたくさんあると、「読みやすくなる」というより、「たくさんの文を読まなければならないというプレッシャーが軽減される」のではないだろうか?
読者諸兄姉のご意見をお聞かせください。
さて、私は「一、スクロールしやすくなるからか?」と「二、文量が少ないと錯覚するからか?」の二つの項目を、一間改行を使わずに書いてみた。
前半に比べて読みにくいと思っただろうか?
それとも、変わらないと思っただろうか?
どちらにせよ、これで小説家になろうの小説を三つに分類できるようになったわけである。
たくさんのご意見を感想欄にいただき、まことに嬉しく思っております。申し訳ありませんが、感想の数が多いため、このエッセイにおける作者の感想返信を停止いたします。ご了承ください。もちろん、感想欄に意見を書いていただくのは自由です。今後は感想欄を掲示板感覚で利用していただければと思います。