世界感を知る
あの後、ショックから立ち直った私はエマさんに冷やすものをもらって頬にあててもらい状況整理から行うことにした。
現状は受け入れきれないが、それならそれで面白い状況だと思ったのだ。
仮説ではあるがみえてきたものは、
私は死んで生まれ変わりというのをしたらしい。ついでに前世の記憶がある。
これについては鏡を見て気づいたことだ。
見た目が変わりすぎているのである。
日本人の容姿からまるで天使のような女の子にグレードアップしていたのには本当に驚いた。
白銀の髪に紅い瞳。
どこのラノベかと思った。
その他にわかったのは、今の私は2歳くらい。
いいとこのお嬢様っぽい。
今いるのは中世ヨーロッパのようなところ。
使用人さんの名前はエマさん。以上。
んー。情報が少ない。
このままでは自分のことも世界のこともわからず、
なにが危険なのかもわからない。
前のような死に方だけはしたくないのだ。
あんな苦しい思いはしたくない。
ここがどうゆうところで、自分に何ができるのか。
まずは情報収集からだ。
その後1年はとにかくなにかしらを知るために、私は動きまくった。庭と1階のすべての部屋をまわって、2階も何ヶ所か以外は大体まわれた。
わかったことは、使用人の部屋は別棟にあること。
2階には父、母、兄の部屋があるらしいこと。そして書斎があることだった。
家族の部屋には使用人達に近づかせてもらえなかったのである。ただ、部屋が遠私の部屋から離れたところにあるのはわかった。
他の家族は暫く家にいないらしいので、それまでは勝手に書斎を見せてもらうことにした。
絵本から始めて、徐々に難しい本を読んでいく。
大人しく絵本を読んでいると使用人はいなくなっていた。
恐らくそっとしてくれたのか、もしくは嫌われているのか。
まぁ、どちらでもいいんだけど。
この家の本をいくつも読んでいるうちのこの世界のことだいくつか知れた気がする。
はじめに来るのが世界観。
隷民、平民、貴族の順で貴族が一番上。
平民は下から下流、上流で、上流は大型商家などの金持ちが多い。
貴族は下から男爵、子爵、伯爵、侯爵、公爵で、平民よりは断然少ない。
教育において貴族の特定の者は12~16まで学校に行くことになっている。
この特定の者の条件が私にとってはファンタジーであった。
なんと、魔法を使えるものらしいのだ。
これを知ったとき、私は今までにないくらいにワクワクした。
魔法!
そんなものがあるなんて!
そんな感じだ。
ただ、魔力とやらがあるかどうかを検査するためには5歳を過ぎなくてはいけないそうなので、
それまではこの世界の常識やら何やらを本から学んで行こうと思う。
ドキドキハラハラ。