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拓馬さんも優羽もげきおこ


 お店は深夜営業モードに入っていた。

 まだ高校生だったので夜勤はした事がない。

 これから夜勤もやらないといけないのだろう。

 高校生諸君は上がる時間。

 僕は満月を呼びに二階の個室に行く。

 次の春に高校三年生になる川上優羽とチャラい藤村拓馬さんが満月と一緒にいた。

 満月は愛想よく振る舞っている。

 

「お、エータ。料理長帰ったん?仕込みどんな感じ?」

「帰りましたよ、明日の分ヨロシクって言ってました」

「んなぁ!ふざけんなよ、あのじじい!俺一人で仕込みかよ」

「店長いるので大丈夫っす。たぶん」

 拓馬さんはよく髪の毛の金髪にしてきてよく料理長によく怒られている。

 今日も短髪で金髪なのだが終始バンダナを巻いているので気づかれなかったみたい。

 料理人の修行とか学費の為に働いてるそうだ。

「満月ちゃん働きたいんだってね。すご過ぎますね!」

「無理なんだけどね」

「え~そうなんですか」

「仕事終わらせてから帰りやがえれ、クソじじい。高校生諸君はよ帰りなよ」

 拓馬さんは営業スマイルを振りまく。

 僕と優羽は拓馬さんに軽く返事をする。

 拓馬さんは笑顔で満月に手を振り厨房へと戻っていく。


「ミツキ、家くる?帰りたくないんでしょ?」

 満月は首を縦に振る。

「マジッスカ!」

 優羽が大きな声を出す。

「しょ、しょうがないでしょう」

「うっそ。朝日さん誘拐ですか!小さな女の子を!」

「違うよ!今日だけだからね。それとも預かる?」

「やめときます!お母さんが怖いので。あ、もう着替えるので出てってもらえます?」

 優羽は立ち上がり結んであった長い髪の毛のほどき僕の顔に思いっきり叩く。

「痛いッス。電車なくなるよー。早く」

 優羽も二年前から『とりどらごん』で働いている。

 弓道部に入っているので頻繁にシフトに入ることもないが元気で頑張るいい子だ。

 駅だけ一緒なので一緒に帰ることもある。彼氏はいるみたい。

 肉付きが素晴らしい。とても健康的な。素晴らしい。

  

 僕は外の出て満月と優羽を持つ。

 店の前には着替えを済ませた料理長がタバコをふかしてした。

「バイトリーダーお疲れ。頑張れよ」

 料理長はその一言捨て台詞のように言って僕の「お疲れ様です」を聞く前にさっさと帰っていった。



 気が付けば時刻は十一時半頃。ダラダラしていると時間は結構早く過ぎる。

 優羽も仲良く会話をするような間柄ではなかったが今日は積極的に話しかけてくる。

 優羽がコンビニに行きたいというからコンビニに寄り、ついでにレンタルビデオ屋にも寄らされる。

 優羽がひたすら満月を連れまわしスイーツを買い、漫画やビデオコーナーをグルグル。

 ひたすら女の子が女の子している。当然である。

 満月も元気を取り戻し元気が戻っている。ただ、ひたすら付き合わされている。

 二人で満月を挟み、ようやく駅に着く。

「めっめッスよ。いらんことしたらダメですよ!女の子なんですからね!もう十歳なんですからね!子ども扱いしちゃだめですよ」

「そうなんだ」

「たぶんって言っていたけど……」

「ほかに何か聞いたの?」

「内緒です。女の子同士の秘密です」

 優羽は帰ろうとする僕に何度も何度もダメ押しし続けた。

 結局電車に乗れたのは十二時前だった。


 たった一日だけの共同生活。

 まさか、こんなよくわからない少女を連れて帰るなんて思いもしなかった。

 社会的にみると立派な犯罪であろう。

 そう考えてしまうとチビってしまいそうなくらいビビってしまう。

 だからそう考えないように考えよう。

 

 帰宅後も満月はお利口さんである。

 家事や洗濯などを率先してやろうとしていた。

 事あるごとに手伝います!などとコンスタントに問いかける。

 ぶっちゃけ一人暮らしなのでほとんど何もすることないんだけど。

 じっとしているのが苦手なのか、落ち着け色々問いかける。

 風呂に入ってスイーツを食べてテレビを見て寝るだけくらいしかない。

 満月は着替えも準備していた。

 本当に一人で準備してきたのだろうか。

 色々疑問点もあるが今日も疲れたのでベットは満月に譲りさっさと寝ることにした。


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