素直になってもいいんだよ(戒め)
「もしもーし」
「おう、昨日は眠れたか?」
「はい」
「それはよかった」
「店長どこいるんですか?今日店閉めてるんですか?でも鍵開いてましたけど」
「店はあれだ。料理長も休んでほしかったから閉めたんだよ」
「勝手にそんなことしていいんですか」
「お前がそんな事きにしなくていいんだよ」
「あ、はい」
話し声に気が付き女性方も目を覚まされたようだ。
「元気そうなら大丈夫だわ」
「わかりました」
「ま、頑張れ。あとでかい字で店休日って張り紙だけ貼っといて」
「あーはい」
「店長さん?」と神原さんが眠そうに言う。
「はい、そうです」
「悪いね。なんか営業まで止めちゃって」
電話をしていた間にお三方ともお目覚めになられている。
「あなたたちには迷惑をかけてばかりで本当にごめんなさい」
寝て醒めてもメイクが全く乱れていなかった真波さんは正座をしていて丁寧にお辞儀する。
「いややや!迷惑だなんて。そんな、とんでもないのでどうか顔上げてください」
「行ってくるね!」
満月はその間、音速のような速さで身支度を済ませていた。
「満月ちゃんやっぱりあなたは元気ね」
「じゃあ行くか」
とはいえ着替えを忘れていた満月には前に出会ったときの洋服に着替えてもらう。
「あのさ、内木さんの所に行く前に少しよりたいところがあるんだけどいい?」
「はい、なんでしょうか」
「ご飯まだでしょ?大した事じゃないんだけどお楽しみに」
「わかりました!」
「まだまだ子供なんだからもっと素直になってもいいんだよ?大げさに笑ったりとか……」
「ご、ごめんなさい」
「お、おう」
しょぼんとなる僕。できれば謝らないでほしいなぁ。
素直になってもいいよって言うのは自分にも言い聞かせてみた。
人に言って実は自分自身にに問いかけているやつだ。
子ども相手であろうか、ちょっと照れくさいこともたまには言えたりする。
そう考えるとオノヨココさんっていう人はバケモノみたいな感じなのか。
そういうことをまったく気にしない人で平気な人なのだろうか。
「満月ちゃん。帰ったらまたお話しましょうね」と真波さん。
「何も出来なくてごめんね」と神原さん。
「カンフー頑張ります!」
「それ、本気だったのね……」と神原さんがボソリと。
「問題ないです、行きましょう」
「お、おう」
満月は先走って行った。僕も追いかける。




