Like an angel
去年の夏は、素敵な白い服を探していた。襟元は詰まっていて、長袖のロングワンピースが理想だった。どうしても見つけなくちゃいけなくて、少し値が張っても良いから……
それから、可愛らしい便箋。シックで美しい便箋も。切手は一枚だけ。それらをだいたい揃えても、まだ焦燥感があった。
自転車に乗ってホームセンターに行った。勇気でなく、心の底にあるものが自分を守ってそうした。
ようやく少しの安堵を感じ、微笑んでいられるほどプライドすら軽くなった。
どこかで諦めなければいけない。いつも解っているつもりだった。
誰もが自分の望んだ道では輝けないように。誰かを苦しめる前に。
私は秋に呆気なく執着心を取り戻した。
それでも未だ夏の本心が綴った決意を読み返す。
そこに嘘も非難も悲観もなく、真実である。