第一話 揺らぎのはじまり 前編
第一話 揺らぎのはじまり ~湾棘怪獣ゾグラス登場~ 前編
夕刻、揺木市北端の山間部にある工事現場。日中は電波塔建設のための整地作業が行われていたが、今は業務時間も終わり、ほとんどの作業員が引き上げていた。夕陽で橙色に染められた地面の上に、動きを停止した建機が黒い影を落としている。その片隅で、一人の作業員の男がじっと立ち尽くしていた。
「おい、帰らないのか?」
同僚が声をかけてくる。男は黙って作業場の端、侵入防止用のフェンスが並ぶ箇所を指さした。フェンスの一つが奇妙に歪んでいる。まるで裏から強い力で押されたように、中央が内側のこちらに突き出ていた。
「何だよあれ。仕事中は気付かなかったぜ」
「少なくとも昼は曲がってなかった」
誰かの悪戯にも思えるが、市街地から車で数十分かかるような山奥にわざわざ悪戯に来るような者が居るだろうか。工事に反対運動があったという話も聞かないし、そもそも今まで工事グループ以外の人間と会う事はなかった。二人はフェンスに近づいていく。
「熊かなんかの仕業か?」
「いや、この辺りに熊なんていないはずだが……待て、あれを見ろ」
一人がフェンスの向こう側を指さす。山の麓に広がる杉の森に通じる茂みが、誰かが通ったかのように大きくかき分けられていた。
「もう暗くなるし、ほっといて帰ろうぜ」
「どうせこの付近も開発する予定なんだ。何だか知らんが、さっさと駆除するに限る」
害獣廃除用の爆竹を持つ作業員たちは、茂みに入って進んでいく。既に周囲は灰色に染められ、急速に視界が悪くなってきている。二人の移動音以外には何も聞こえない。懐中電灯の光を頼りに進んでいくと、急に道が開けて森の中に入った。
「おい、あれは……」
杉の木が何本も薙ぎ倒されている。光を当ててよく見ると、奇妙なことに、どの木も上側が圧縮されたかのように凹んでいた。先ほどのフェンスと同様、余程の力を加えないとこんな状態にはならないはずだ。
「監督に無線で連絡してくれ」
「おう……ん?」
一人が無線通信機を動かすが、無線機はザザ、ザザという音を出すばかりで作動しない。
「どうした、電波が悪いのか?」
「さっきまでは動いてたのに……」
無線機の電源を切ると、再び森に静寂が訪れた。そして作業員たちは同時に気付いた。どこからか低い音が聞こえる。何か重い物を地面に繰り返し落としているような音だ。音が響く度、足元が揺らぐような感覚がする。そして、音も揺れも段々と大きくなってきている。何か、得体の知れないものが近付いてきている。二人は焦ったように周囲を見回す。だが、どこを見ても灰色の杉が無表情に立ち並ぶばかりで、音の出所はまるで分からない。
「おい、無線は……」
不意に、二人の左方10m程の位置にあった木から軋むような音が鳴った。杉の木は作業員たちの目の前でくの字に歪み、やがて根元から折れて二人のいる方向へ倒れてきた。
「!?」
一人が反射的に懐中電灯を向ける。光は杉の木の後ろ、立ち上る砂煙の向こう側に当たり、そこに居たものを照らし出した。
「…………」
それは静かに佇んでいた。燃えるように赤い一対の眼が作業員たちをじっと見つめている。二人の男は少しの間、凍りついたように動かなかったが、やがて一人の手が狂ったように無線のスイッチを動かし始めた。しかし、無線機は依然として反応せず、ザザ、ザザという音を出すばかりだった__
「……は?怪獣?」
森島辰真は頓狂な声を上げた。ここは揺木大学の敷地の奥にある研究室棟の一室。森島は揺木大学社会学専攻の三年生である。彼が着席しているテーブルの上には、写真やら地図やらお菓子やらが散乱していた。
「はい、怪獣です!薄明山に出現したそうですよ。昨日の夜、先生に連絡が来たんです!」
テーブルの向こうで目を輝かせて話を続けるのは稲川月美。橙フレームの眼鏡が印象的な彼女は、森島の同期の大学生である。
「怪獣とこんな早くに会えるなんて予想していませんでした!これで私たちの研究も捗りますね!」
「研究か……」
森島と稲川が所属する城崎研究室では、近年頻発する怪奇事件の調査研究を専門に行っている。今まで二人は城崎教授の指揮の下、数件の怪奇事件の調査に当たってきた。しかし、巨大な体躯を持ち、人智を越えた力を持つ異次元生物、すなわち専門用語で言う所の怪獣が出現したという情報が入ったのは初めての事だった。その城崎教授は、朝からずっと奥の資料室に籠もりきりだ。
「どうしてそんなに不満そうなんですか?これを解決すればいっぺんに単位貰えるかもしれないですよ」
「そういう問題じゃないだろ。あと単位の話はやめろ」
二人が話していると、奥のドアが開き、大量の書物を抱えた長身の男が顔を出した。この部屋の主、城崎淳一である。国内でも数少ない怪奇事件の専門家で、若くして研究室を持つ俊英だ。
「そろそろ目撃者の皆さんが来るから、部屋を片付けておいてくれ」
口調こそ落ち着いているが、その瞳は情熱に燃えている。そしてダークグレーのスーツは埃まみれ。どうやら興奮のあまり徹夜で資料を探していたようだ。
「先生、いよいよですね!」
「ああ!しばらく忙しくなるぞ。これが本当に怪獣事件なら、私としても遭遇するのは5年ぶりになるかな。そう、あれは研究生時代に東京にいた時の事だった……」
「とりあえず先生は身だしなみを整えてください」
20分後。部屋がようやく片付いた頃に三人の客が研究室を訪問してきた。別人のように見違えた城崎先生が三人を迎え、テーブルに座るように促す。稲川が紅茶を配膳した後、三人の対面、先生の横に着席した。森島も急いでノートを開き、城崎を挟んだ反対側に着席する。
「どうも先生、毎度お世話になってます」
挨拶したのは地元の建設会社「中村建設」の監督である。城崎先生は大学の地域交流委員長を務めている関係上、町中に人脈を持っており、今回のように怪奇事件があった時すぐに情報が入ってくるようになっているのだ。
「お忙しい所時間をとらせてしまってすみませんね。こいつらが昨日から怪獣だの何だのと騒ぐもんで。困ったもんですよ」
「そんな監督、俺達の言う事信じてくれないんすか?」
「本当なんですよぉ!」
監督の言葉に、両脇の二人が慌てたように抗議する。どうやら目撃したのは彼ら二人であるようだ。
「ああ分かってるって。先生、こいつらの話を聞いてやっていただけませんか?」
「ええ、勿論です。覚えていることをできる限り詳しく話してください」
二人の作業員が、昨夜の体験談を話し出す。
「とにかくデカかったんすよ!20m以上はあった!上半身はゴツゴツして蟹みたいで……」
「違うあれはウニだよ!それから奴は吠えるだけで森の木を押し潰すんです。透明な万力みたいに!」
最初のうち、興奮する作業員たちの話はさっぱり要領を得なかったが、城崎が落ち着いた態度で話を整理していくうちに平静を取戻し、少しずつ話の全貌が明らかになってきた。昨日夜、二人は業務終了後にフェンスに謎の痕跡を見つけ、手掛かりを追って森に入り、そこで怪獣に出くわして逃げてきたらしい。監督が補足説明をする。
「そうなんですよ。こいつらの戻りが遅いなと思ってたら突然真っ青になって詰所に駆け込んできて、怪獣を見たとか騒ぐもんで」
「それで、何か対処はされました?」
「ああ、何人かに捜索させましたがね、怪獣は居ませんでしたよ。確かに熊か何かがやったような破壊の跡はありましたけど」
「だから熊じゃないんだって!」
「ええ、ええ、分かってます。そう言えば先ほど、現場付近で無線が通じなかったって話がありましたけど、もう一度お願いできますか?」
「そうですそうです、何故か無線が通じなかったんです。絶対あいつが、あの怪獣が何かしたんですよぉ!」
「おい、あまり馬鹿なことを言うもんじゃない……でも確かに、あの付近では無線が使えなくなっているんです。今朝になっても通じないままだし、他の連中もこいつらが騒ぐせいで怖がりだしたもんで、工事が全く進んでないんですよ」
「警察に言っても相手してくれないし。頼りになるのは先生しかいないんです!」
「先生は俺達の話、信じてくれますよね?」
「当然ですよ。こんな時のために我々が居るんですから。ところで、あなた方の見た怪獣というのはこいつに似てますか?それともこれに近いですか?」
城崎先生は用意していた数冊の古い書籍を開き、巨大生物のモノクロ写真を二人に見せ始めた。昨夜連絡を受けた時に怪獣の簡単な特徴を聞いて見当をつけ、夜のうちに資料室で発掘した資料である。だが残念なことに、どの写真を見ても二人は首を縦には振らなかった。
「揺木市の午後の天気です。全体的に晴れる見込みですが、北部では所により雷雨となるでしょう」
ここは薄明山に向かう坂道を走るワンボックスカーの内部。カーラジオからは地方局の天気予報が流れてくる。両脇の窓からは、緑の木々が途切れることなく後方に流れていくのが見える。運転席には辰真、助手席では月美が地図を広げている。車内に付属しているカーナビは消されたままだ。
「さっきの話、どう思います?」
「さっきの話って?」
「事件のことに決まってますよ。本当に怪獣だと思いますか?それとも幻覚事件の一種?はたまた異次元人の、」
「あの人たちの勘違いってオチもあると思うが」
「そ、そんな……」
「普通そこで残念がるのはおかしいだろ」
「だって怪獣事件の方が貴重じゃないですか!折角の事件なのに森島くんは嬉しくないんですか?」
「本当に怪獣が出現してたら面倒な上に危険だしな」
城崎同様に興奮している月美とは対照的に、辰真には大してやる気が見られない。それも無理はない。月美は以前から怪奇事件に強い興味を持っていたために研究室に入ったのに対し、辰真は単位を人質に無理やり研究の手伝いをさせられているようなものだからだ。
「あんなに行きたがってた先生に悪いですよ」
今から十数分前、作業員達から話を聞き終わった城崎は、すぐに現場で調査を開始するよう学生たちに命じた。本当は誰よりも現場に急行したいはずだが、責任者である城崎には監督との今後の打ち合わせや市内の関係各所への連絡など、先にやるべき業務が多くあるのである。また、新たに聞いた特徴を基に資料を探し直す必要もある。「とにかく気をつけるように。危なくなったらどうにかして連絡を取る事」と釘をさす先生を残して辰真たちは調査に向かったのだった。
「とにかく、先程の話からして私たちの研究対象なのは間違いありません。だって……」
その時、通販のCMを流していたラジオの音声が急に乱れ、ザザザ、ザザザという雑音に変わった。二人は話を止め、顔を見合わせる。辰真は車のスピードを落とし、月美は地図にマーカーで何かしら書き込み始めた。
間もなく車は分岐路に到達。細い方の道に入って少し進むと、道路の脇に「工事中」の黄色い立て看板が置かれているのが見える。横を通過して先に進むと、広めの空き地にぶつかって行き止まりとなった。空き地の横にはプレハブの建物、その奥はフェンスで区切られている。ここが問題の工事現場だ。
二人は空き地の隅にワンボックスカーを留め、現場に降り立った。辰真は普段通りのワイシャツにジーンズ姿だが、月美は防水ジャケットにショートパンツ、スパッツといった山ガールを連想させるような調査用ウェアに着替え済みである。監督の言う通り工事は中断しているらしく、空き地やプレハブの詰所の中から人影は消失していたが、木材や測量器具は方々に取り残されていた。月美が監督から借りた鍵を取り出し、きちんとヘルメットを被ってから作業場への扉を開ける。
「さあ、現地調査開始です!」
誰もいない工事現場を見て回る。月美は持参したデジタルカメラで辺りを撮影し始めた。現場内を一通り回ったが、特に異常は発見できない。やがて二人の足は作業場の隅に向かった。20時間ほど前、作業員達が立っていたのと同じ場所だ。彼らの目の前には例の折り曲げられたフェンス。その曲がり方は綺麗で、真上から見ると丁度Vの字に見えそうだった。
「やっぱりこれ、熊とかの仕業じゃありませんよね」
「怪獣だったらフェンスごと破壊しそうな気もするが」
「いえいえ、それは早計ですよ」
フェンスの間に生じた隙間から外へ。茂みの間に作られた道は、目撃者や捜索組が往復したおかげではっきりと残っていた。道を辿り、森の中へ向かう。月美が小走りで先行し、辰真との距離がどんどん開かれていく。昼下がりという事もあり視界は明るい。静かな森の中で、場違いなシャッター音が絶え間なく鳴り響く。
「あ……!」
いち早く森の中に到達した月美が声を上げる。話の通りだ。辺りには薙ぎ倒された杉の木が散乱している。近付いてみると、どの木片も上部だけ奇妙に凹んでいた。アイロンをかけられた洗濯物のように綺麗に潰されていたのである。
「これは……明らかに自然現象でも人為的現象でもありません。つまり怪奇現象、アベラントな事件です!」
木の残骸を観察し始めた月美にやや遅れ、辰真も現場に到達した。
「森島くん何やってるんですか。そんな所に立ってないで調査手伝ってください。これ持って帰るんで鞄に入れといてくださいね」
「木の切れ端より、あっちの方が先生のお気に召すんじゃないか?」
辰真が左前方を指さした。その先の草むらをよく見ると、地面に凹んだような跡が付いている。全長3mほどの楕円で、一片が鋸状に波打った形。更に近づくと、同様の跡が奥の方に一定間隔で続いているのが分かる。疑いようなく、何かの足跡だ。
「こ、これは……!」
月美は木片を放り出すと足跡に駆け寄り、撮影を始めた。
「もう間違いありません、これは怪獣の仕業!そうでしょう?」
「まあ確かに、何か巨大な生物が居るのは間違いなさそうだな」
足跡を辿る。その巨大生物は作業員達に目撃された後、周囲をうろうろしてから引き返したらしい。一つの足跡の中には、押し潰された懐中電灯が無残な姿で残っていた。足跡の周辺の草木は押し分けられ、人間二人が通るのに十分な大きさの通路ができていたため、追跡は容易だった。森の中を進むうち、周囲が薄暗くなってきた。気付けば青かった空は灰色の雲に包まれている。
「天気予報の通りか。雨具なんて持ってきてないが」
「山に調査に行くときは雨具は必須ですよ。それより、あれに気付いてます?」
今度は月美が前方を指さす。足跡の先に、微かに白い霧が発生している。曇天との相乗効果で視界は一層悪くなっている。
「これは、もうすぐエリア内ってことですよね!」
月美は今までより一層ペースを速める。辰真はその後ろから呆れた様子で着いて行った。間もなく二人は、白い壁にぶつかった。その先は木の影が無く、どうやら草原になっているようだが、霧が壁のようになって外部を遮断しているためほぼ視認できない。辰真の視線による牽制を受けて月美もペースを落とし、ゆっくりと霧の中へ進む。視界が真っ白になるが、数歩進むと壁は途切れ、視界が開ける。そこは草原ではなく、森の一部だった。木の影が見えないのは、周辺の樹木が全て薙ぎ倒され、地面に放射状に散らばっていたからである。その放射の中心を探して目を動かせば、10mほど先に巨大な黒い影の存在を認めることができただろう。辰真はそれを確認するなり月美を引っ張り、壁の入り口付近に残っていた大樹の陰に身を潜めた。息を殺し、幹の陰から前方の様子を窺う。目が慣れてきたのか、黒い影の輪郭も少しずつ見えるようになった。
それは、やはり怪獣という他ない存在だった。大きさは20m近い。肉食恐竜を直立させたような体型。今はこちらに背を向けているが、その背から尻尾の先にかけて太い棘が大量に生えている。頭部や背中、腕の外側は赤黒いが、僅かに見える腹部や腕の内側は白い。つまりこの怪獣は棘の付いた甲殻で半身を覆っているらしい。確かにこれなら蟹にもウニにも見えるだろうと考えた所で、辰真は月美が後ろに居ないことに気付いた。左側。居ない。右側。端の方に人影。視線をずらすと、いつの間に木陰を出たのか、怪獣にカメラを向ける月美の姿が見えた。
辰真の意見では、彼女の怪奇事件への好奇心は城崎先生同様、異常のレベルに達している。怪獣への好奇心が恐怖を乗り越えたとしても不思議はない。ここで怪獣の撮影に成功すれば、事件解決の大きな手掛かりになるだろう。だが、やはり怪獣相手に無闇な行動に出たのは軽率だった。無意識な恐怖からか月美の両脚が震え、その拍子に地面の木片に足をとられて尻餅をついた。振動音が反響し、二人から遠ざかろうとしていた怪獣の動きが止まる。撮影を諦めない月美はその状態で、カメラのシャッターを躊躇なく押した。静かな森にシャッター音が鳴り響き、フラッシュの光が点滅する。怪獣の頭が後ろを振り返り、炎のような眼が光と音の発生源を捉えた。
怪獣は低い唸り声を上げると、頭を後ろに戻し、下を向いていた背中の棘を一気に逆立たせた。何故か体を前に向けることはせず、背を向けたまま動かないでいる。間もなく怪獣の背中の棘が振動を始めた。それに伴い付近の空気も震え、鳴動する。巨大な発電機のような轟音だ。危険を感じた月美が樹の後ろに駆け戻ってくる。
数秒後、空気の奔流が二人の方向に襲い掛かり、大樹の幹に激突した。大樹が盾となり、二人を衝撃から守る。彼らの左右を衝撃波が通過し、生き残っていた若木に押し寄せる。空気の直撃を受けた若木は大きく後ろにしなり、やがて軋み、たわみ、歪み、最後には押し潰された状態になって根元から折れ、木片の仲間入りをした。衝撃音が止む。静寂の中で、辰真は自分でも不思議なほど冷静だった。やはり木を薙ぎ倒したのはあの怪獣のようだ。どう考えても自分たちでどうにかなる相手ではない。早くこの場を去って先生に報告すべきだ。だが、身体が動かせない。金縛りにあったかのようだ。間もなく次の衝撃波が来る。先ほどの衝撃でこの木は今も揺れている。いつまで持つか分からない。早く、早く……!
「つまりあの怪獣は、背中の棘を振動させて周囲の空気を揺らがせることができるわけですね」
いつの間にか隣に居た月美が見解を述べる。彼女の場合、好奇心が恐怖心を上書きしているらしい。
「あのシルエットといい、とても特徴的ですよね。これだけ情報があれば先生なら直ぐに特定可能でしょう」
能天気な月美の話を聞いている内に、辰真の金縛りも解けていた。
「で、これからどうする?」
「逃げましょう!」
この日初めて二人の意見が一致した瞬間だった。




