魔法のランプ
エス氏が歩いていると道端に黄金のランプを見つけた
「これはランプのようだ。どれ、擦ってみよう」
するとランプの中から魔人が出てきてこう言った
「私はランプの魔人だ。大抵の事は叶える事ができる。ただし3回のみだ。」
エス氏は少し考えながら呟いた
「願い事の回数を増やすのはどうだろう」
「それは出来ない」
なるほど、回数を増やせるのであれば制限を設けた必要がない。元々、無理を承知だったので質問を変える
「沢山のお金がほしい」
「それは出来ない」
エス氏はふむ、と考えこんでしまった。よくよく考えると銀行から発行されてないお金を貰っても何の意味もないことが分かった。逆に願いことを無駄遣いせずに済んだのかもしれない。
「では、大量の金塊が欲しい」
「それは出来ない」
これにはエス氏は頭を悩ませた。もしかしたら質量が大きすぎたのかもしれない。そこでエス氏は小さくてもお金になる答えを出した
「世界最大級のダイアモンドが欲しい」
「それは出来ない」
エス氏は首を傾げる。こうも出来ないことばかりだと大した力を持っていないように見える。しかし、エス氏は気づいた。
「なるほど!金目の物を出そうとばかり考えていたが何も無い所から何かを出すこと自体が並大抵の事ではなかったのだな。では、私を幸運な体質にしてくれ。毎回宝くじの1等が当たるぐらいにな」
「それは出来ない」
これには流石のエス氏もしびれを切れせてこう言った
「じゃあ君は一体何ができるのだね!?」
するとランプの魔人はこう答えた
「魔人の力は使う毎にカウントされます。1回目はランプから出てくる為に使いました。2回目はランプの中に戻る為に使います。3回目は同じ人にランプが拾われないようにランプ自体を遠くに投げ飛ばす為に使います。なので大抵の事は叶える事が出来ますが他の人が使う分はありません」