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ドンドンぱふぱふー

「今この魔王城にいるのは、魔王様と我々の4人だけなのです。」

「『さいしょう』とやらが、わかりません。」


という、金髪執事君からの言葉をもらっても、私は(わかりませんが、わかりません)状態で、ちょっと、といかだいぶ?困惑。


「4人だけって・・・。どんだけ絞っても騎士とかメイドとか居るんじゃ・・。」

「おりません。」

「あ、じゃあ、料理長とかは居るでしょう?厨房あるんだし。」

「おりません、食事の準備は我々でしております。」

「門番とかっ。」

「おりません。」


おりません、おりませんって・・・。

そんな王城あるのか?!

上空から見た時にも、今まで居た人間の王城と同じくらいの規模があったのに、管理してるの三つ子だけ?!どんだけハイスペックなの三つ子!!人間の王城には、メイドだ近衛だ神官だって、うじゃうじゃいたのにな!

でも、


「あ、では先代の魔王様はお亡くなりに?とか、んー、国母様・・・えっと、

魔王様のお母様とかご兄弟とかどちらに・・・。」


すると金髪君は、「あぁ、人は女から産まれるのが当たり前でしたね。」とつぶやいた。

いやいやいや!あんた!

人どころか大概そうだよ!虫や鳥だってメスが卵を産むでしょ?!

植物だって雄しべと雌しべでしょうに!

今はもう見なくなったとされる竜だって、メスが卵を抱くって聞いた事があるよ?!


「・・・あの、魔族の方々は違うのですか?」

「はい、違います。全ての者が、というわけではありませんが。魔力を宿す木の下に産まれます。

特に、魔王となる資質のある者は、『王の森』といわれる魔力の含有量の多い森で産まれます。」


それを聞いたとき、頭にちらりと前世の記憶がかすった。

物語だったか、宗教的伝承だったか、悪魔は木の又から産まれるとあったのを思い出した。

「ほぁ~。」

世界は違えど、本当でしたねぇ、と気の抜けた声が思わずでた。

そこで金髪君、ふむ、と頷くと魔王様の前へ移動、つまり私の左隣に移動すると膝をついた。


「魔王様、魔王様がエリ様に何をお望みなのか、矮小な私には解りませんが、今のように、エリ様は我々魔族の事はご存知ない様子、我々魔族も人の事を細かに知っている訳ではありません。

魔王様のお望みを正しく叶える為には、ここはまず、男爵様のお好きなアレなど必要かと思われます。」


男爵の好きなアレ?

金髪君の発言にうんうんと頷いていたけど、後半に不穏な空気を感じる。

魔王様は、軽く握った拳をアゴにあて、ふむ、と少し考えてから、仰った。


「よかろう。男爵の大好きなアレをやろう。」


「な、なんですか?アレって・・・。」


「はい。アレとは、我が魔国の変わりも・・・魔国の吸血男爵様がよくなさる

『自己紹介ターイム!!!』

でございます。」


金髪君が、『自己紹介ターイム』と拳をふりあげ叫ぶと、銀髪君と茶髪君が「ぱふーぱふー!」「うぇーい!」と

はやしたてた・・・・。


「・・・合コン?」


脳裏に前世の合コンシーンが蘇り、思わずつぶやいた。

金髪君はスックと立ち上がり、私の両手を握りこむ。


「それにございます!!」


愛らしい頬を紅潮させ、紅茶のような瞳をうるうるさせ、鼻息荒く頷く。

なんか、急に人が、いや魔人が変わったぞ金髪君。一体どうした!男爵が好きって言って、おまえも好きダロ!

というか『合コン』て・・・、この世界にもあったっけ??私がこっちに産まれてこのかた、聞いたことないんだけどな?。庶民や地方では、未婚の人達で集団見合い的なのがあるのは知ってるけど。

と、今世の『合コン』の記憶を探っていると、両手を握っていた温もりがスパーン!という音と共に消えた。同時に後ろから、ぎゅっと拘束されたっ!うおい!


「勝手に触るな。」


耳元にナイスボイス!って、いつのまにか、魔王様に背後をとられ両腕で囲う様に抱き込まれていた。


「・・・っぅ、も申し訳ございません。」


ふと下を見ると、白皙の美少年が、魔王様に手をはたかれ、その勢いのまま床に激突していた。



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