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第2話 現場確認

※この物語はフィクションです。


《登場人物》


 アラン・ダイイング    探偵

 マリア・シェリー     探偵助手

 モーリス・レノール    シュゼット警察刑事部捜査一課警部

 カール・フリーマン    同刑事 モーリスの部下

 エリー・アンダーマン   シュゼット国立中央図書館司書

 


 ― 同日 シュゼット フィルストリート 6番街 ―



 事件現場は黄色のテープが現場に彩を与えられ、遺体があった場所には白いテープでしっかりと人型の形で地面に貼られている。

 先に現場で捜査をしていたレノールの部下、フリーマンが事件について探偵とその助手に詳しく説明し始めた。

「被害者の名前は、エリー・アンダーマン 23歳。 フィルストリート5番街にあるシュゼット国立中央図書館の司書ですね。左下腹部をナイフで1突きされ、その影響による失血死かと思われます。所持品は荒らされ、現金を奪われてました」

「なるほどね。物が散乱していますし、物盗りの可能性大ですね。先生」

「ん~どうだろうな。ちょっと分からないね」

 フリーマンの話をメモにまとめながら助手はそう告げる。その隣でアランは、だるそうに助手が必死にまとめるメモを横で見ていた。

 説明をフリーマンは続けた。

「死体はここに、そしてメッセージはここに」

 指を示した先の所にアランは近づいて、しゃがむ。

「なるほどね」

 マリアはアランの行動を見ながらもメモに書いた情報についてまとめていく。

 あの暗号について、アランは色々な解き方を考えていくが、今の所は解読できていない。それにこの暗号については何か特殊なものではないかと感じている。

 事件現場を見つめる探偵に、警部は言葉を投げかけた。

「どうだ? 何かわかりそうか? 我々は強盗の線で見ているが?」

「強盗の可能性は低いかも」

 レノールはアランの言葉に理解を示す事ができない。

「どういう事だ? 物は取られているし、強盗の可能性もあるだろう?」

 状況から見て、強盗の確率は高いと判断できるくらいの現場で、エリー・アンダーマンという被害者の遺留品が周りに散乱しているのが見て分かる。

 アランは、首を軽く横に振ってレノールの反応について拒否した。

「死体の写真をよく見てないのか? 彼女の左腕に中々高級そうな腕時計があっただろ?」

 アランの見解にレノールはある程度の理解を示すが、質問は続いていく。

「ああ、だが、流石に、取らなかったんじゃないか? 外すのに面倒だったんだろう」

 レノールの質問に対して、アランは呆れながら逆に返す。

「じゃあ、何で周りに物が散乱しているんだ? あからさまお金目当てで物色して必死だったのが伺える割には、この高そうな時計や宝石は持って行ってない。警部よ。写真はちゃんと見ていたのか?」

 レノールはもう一度、持っていた写真を見ると、確かに遺体の耳にピアス、手には、腕時計がある。

「た、確かに」

「だとすれば、これは物盗りに装った犯行だろうな」

 レノールは頷きながら、アランの推理についての犯人の動きについて確認を取る。

「じゃ、被疑者は物盗りを装う為に、財布から金を抜き取ったわけか?」

 アランは現場の周りを見渡しながら答えた。

「ああ、そうなる。それで死体の勤務先は、この近くの図書館だろ?」

 フリーマンは、メモ帳でエリーの情報を見直しながら言う。

「ええ。シュゼット国立中央図書館の司書ですね。シュゼットの中では最大の図書館ですね」

「あ、よく行きますよそこ! 最近、都市ストラングの博物館が中央図書館と合併する事で話題になっていましたね」

「そうなの?」

「最近の情報ぐらい知っておきましょうよ先生」

「まぁ、いいや。とにかく、被害者についてもよく知らないし、向かうか。図書館。案内ヨロシク! ミス・シェリー」

「はいはい」

 図書館に向けて、探偵とその助手の2名は、歩き始める。

いつものいきなりの行動に出た2人に対してレノールは、戸惑いながらアランに向けて叫ぶ。

「お、おい! 暗号は!? 分かったのか!?」

 アランは笑顔でレノールの叫びに対応した。

「わからん」


第2話です。 話は続きます。

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