最終話 新たな暗号へ!
《登場人物》
アラン・ダイイング 探偵
マリア・シェリー 探偵助手
モーリス・レノール シュゼット警察刑事部捜査1課警部
カール・フリーマン 同刑事 モーリスの部下
-被害者-
エリー・アンダーマン シュゼット国立中央図書館司書(第1被害者)
イーライ・ゲイル ブレーンスタイン博物館職員(第2被害者)
アリス・パルマー シュゼット国立中央図書館司書(第3被害者)
-容疑者-
ジョルジュ・カイマン シュゼット国立中央図書館司書
シリル・プレヴェリネ 同 司書
エリック・シルヴァ 同 司書
クロード・モーマン 同 司書
ロビン・フィリモア 同 館長
―― 5月5日 ダイイング探偵事務所 午前10時 ――
アランは新聞を読んでいる。新聞の見出しには、解決していた事件が大々的に記されていた。
《シュゼットで前代未聞の強盗事件を解決!! 解決の裏には探偵の力が!?》
《博物館の館長 ロビン・フィリモアを3件の連続殺人容疑で逮捕》
「ふっふっふ。面白い暗号だったな」
アランは新聞を机に置いた。その時、奥からマリアの声が聞こえる。
「先生。新聞を見ているのもいいですけど、仕事してください」
マリアは、書類を持って奥の部屋から出てきた。
書類をアランの机に置いて、自分の椅子に座り、机の上にあるノートPCをいじる。
「はいはい。分かっているよ。マリア」
アランは新聞のページをめくり、世界経済の記事に目を通す。
その姿を軽く通した後で、マリアは作業を止めて、アランの方に目を向けた。
「あっ! それより先生。この前のチェスの賭け、私の勝ちですからね」
アランは新聞を下に落とし、驚いた。
「えっ!! 嘘だろ!?」
「確認してください。ほれっ」
アランは急いで新聞の記事に目を通していく。確かに新聞のイベント面でしっかりとチェス大会決勝の結果が、記載されていた。
《○ロバート・クラウトン》
《×ロブ・マディガン》
「ねっ。言ったでしょう? ハイ、30ユーロ決定ですからね」
「賭けるんじゃなかったよ」
アランはブツブツと独り言を言いながら机の引き出しから30ユーロを取り出してマリアに手渡した。
マリアは綺麗な笑みを浮かべながら、30ユーロを受け取った。
「毎度、どうも」
「ちくしょう。次は負けないからな」
「おやおや、負けたのか?」
声のする方に目をやると入口の方にレノールが腕を組んで立っている。
「いや、なんでもないよ。それより警部は何しに来たんだね?」
レノールは、応接用のソファーに座り、アランに要件の書類を見せる。
「また事件だ。お前の協力がいる」
アランは目を光らせ、レノールの発した単語に反応する。
「ほう。どんな?」
レノールはアランに言った。
「来たら分かるさ。早く向かうといい。場所はセントラル街の3番だ」
レノールはソファーから立ち上がり、背伸びをした後で事務所から出ていく。その後を追う様に探偵は椅子から立ち上がった。
「つまらない暗号だったら帰るからな。行こう。マリア」
とっくの昔に準備を済ませたマリアは綺麗な笑顔で返す。
「はい! 先生」
2人はいつもの様に事務所を出て行く。
《捜査中につき CLOSED》
END
最終話でございます。 今まで、読んで頂きありがとうございました。
今回はいかがでしたでしょうか。若干最後のアクションはダサさがあったかもしれませんね。まぁ、書いた本人自身が楽しんでかけたのでよかったと思います。
下手くそながら最後までお付き合い頂きありがとうございました。ありがとうございました。




