雪の上のそら
書いてから気づきましたが完全に童話じゃなくて絵本ですね。絵は無いですけど。
だれか素敵な水彩な感じの絵を描いてください(他力本願)。
朝、そらちゃんは窓の外を見ていました。
しんしん、しんしん、雪が降っています。
そらちゃんは
「はぁ。」とため息をつきます。
もう一週間も雪ばかりでした。
そらちゃんは空が大好きです。
青くてきれいな空を見ると、
こころがうきうき、楽しくなります。
今日はお母さんとお出かけの日。
だけどそらちゃんはお外に出たくありません。
「お空はどこにいっちゃったの?」
そらちゃんは、大好きな空色のコートを着せてもらっても、
玄関から出ようとしません。
お母さんは困ってしまいました。
そこへお兄ちゃんが現れました。
お兄ちゃんは、そらちゃんに言いました。
「お空はね。雲の上にあるんだよ。」
「本当に?」
そらちゃんは玄関から出て上を見上げます。
「雲しか見えないよ。」
そらちゃんはお兄ちゃんを見ました。
お兄ちゃんは言います。
「雲って、何で出来ていると思う?」
そらちゃんには分かりません。
「雲はね、小さな小さな氷の粒と、小さな空のチリで出来ているんだよ。」
お兄ちゃんはまた言います。
「雪って、何で出来ていると思う?」
そらちゃんには分かりません。
「雪はね、小さな小さな氷の粒と、小さな空のチリで出来ているんだよ。」
「雲とおんなじだ!」
そらちゃんは言いました。
お兄ちゃんは、
「そうだよ。」と言いました。
「見てごらん。」
お兄ちゃんはお外を指差します。
お外は一面、真っ白です。
「ここは雲の上なんだよ」
そう。まるでそこは雲の上。
お兄ちゃんは、
そらちゃんのお気に入りの
空色の傘をぱっと広げました。
「ほら。これが空だよ。」
「本当だ。空みたい。」
そらちゃんは、なんだかこころがうきうきしてきました。
それからそらちゃんは、雪の日が大好きになりました。
おわり