坂田係長のせいかつ
ここは無人島…
一人の男が流れ着いていた。
「イテテ……あれ?ここはどこだ??」
『ガン!』
「ぐぁ…!」
ヤシの実が男の頭に当たり男はまた気絶した。
こうして彼は気絶しては目覚めを繰り返していたのであった。
「坂田係長!…坂田係長!」
男を呼ぶ声がした。
「…ううん…はっ!君は大和撫子日本三大美女のキャビア川トリュフじゃ!?」
「何を訳の分からない事を言ってるんですか?部下の米川ですよ。夢でも見てたんですか?そんな事よりボートを作る木は見つかったんですか?」
「はっ!…そうだった、我々は営業の接待の釣りの途中で嵐に合って遭難したんだったね米川君!?」
女はいぶかしげにこう答えた。
「何言ってるんですか?係長が私をデートに誘って貸しボートに乗ってたら係長がはしゃぎ過ぎてボートを壊しちゃったから木材集めて許してもらおうって自分が言ったんじゃないですか??」
男ははっと思い出しこう言った。
「…そうか、それでこの無人島まで来てしまったワケだね?大変だ、早く家に帰らねば家内に怒られるぞ。」
女はまたもいぶかしげに言った。
「何言ってるんですか?なんで木材集めに無人島なんかに来なきゃいけないんですか?ほら浜の向こうでボート屋のおじさんが見てますよ。だいたい木材なんか集めて許して貰えるワケないじゃないですか?ちゃんと弁償して下さいよ。それに係長奥さんなんかいないじゃないですか。」
女は疲れたという顔をしながらこう言った。
「あぁなんか馬鹿みたい。ボート壊したのだって私じゃないし。友達と約束あるんで帰ります、さようなら。」
と、女は去って行った。
男はヤシの実を拾いヤシの木を見上げた。
そして木をさすってみたが落ちて来る事はなかった。
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