25話 人との出会いは忘れずに!!
物陰に隠れて密かに会話を交わす。その相手は織田信長のモノマネ芸人、織畑信短。
「もしかして俺のこと知ってるの?織畑ってバレたらやばいんだけど?」
本当に誰なんだ!知らないぞこんな芸人!
だがそこが俺には引っかかる。俺が名前を知らない芸人なんているはずがない。ましてや織田信長のモノマネ芸人なんて母数はそんないない、いやそもそもこいつ以外にいるのか?まあそんな中で俺が知らないわけないんだよな。聞き覚えがあるのは引っかかるが。
「事務所は?」
とりあえずこれ聞いとけばなんとかなる。そう思い聞いたのだが・・・
「士口エージェンシーだけど?」
俺と同じじゃねーかよ!!!おいなら余計知らない理由がわからねえって!でもまて、もしかして。
「もしかして・・・改名したことある?」
「あるが。それがどうしたんだ?大体の人は俺の元々を知らないが・・・」
ーーーーーー
「卒業公演優勝は、ソバナイト!!!」
士口の養成所生の卒業公演。これは俺たちにとって一番大事な公演だ。そして、俺はそんな大舞台で優勝、つまり首席という巨大な称号を手にした。
だが、俺と内藤は優勝の余韻に浸る暇もなく現実に戻された。
「お゛も゛し゛ろ゛い゛!!!」
手に持っている紙が涙と鼻水で滲んでいるにも関わらず、ペンで書くのを止めない少年の姿がそこにはあった。
そして劇場を出て家への帰り道のこと。余韻に浸り夜の静けさにエモさとやらを感じるようになってきたのだが。
「待ってください!!」
エモさを大声で壊すのはあの泣いていた少年だった。俺が壊されたことに戸惑っているのにその少年は
「俺芸人になるんすよ!養成所も士口行きます!漫才やります!」
「お、おお・・・」
エモさが壊されてからオーバーキル状態でそこからは何を言われたかは覚えていない。だが一つ覚えているのは
――――――
「織田信長にめちゃくちゃ似てる!!」
「だからそう言ってるだろ!」
織畑はまだ気づいてないんだな。泳がせたいけどまあしょうがないな・・・
「俺!相馬だよ!ソバナイト!君あの時の学生だろ!」
あれ、なんか静かになったな。
「・・・ほんとほんとタメ口すいません、すいません!」
なんか、クソほど反省してんな・・・こっちが申し訳なくなるんだが。俺はエモさとやらを感じてたのにな。こんなことになったら俺から話変えるか。
「今何やってんの?士口の舞台で見たことないけど?」
当たり障りないけどこの辺が一番いいだろ。
あれ、また静かになったな。
「漫才やめました・・・それで織田信長専業でやってます。」
そりゃこんなに静かになるな。憧れた人の目の前で夢を諦めた話をするのはそりゃ辛いだろうな。慰めの一言でもかけるか。
「まあいいよ、芸人として頑張ってくれればあああ!!」
バサァ!!
何かが落ちてきて視界が真っ暗になった?!
「相馬さん、カラスですよ!この場所にしか現れないカラス、純ガラス!!」
何も見えないから何が純なのかわかんないんだが!!
「まあいいです、俺がやります!」
何をやるの!?そんなに覚悟決めることなのか!?
サイズもわかんない状況でそんなこと言われても!?
ピコン!
なんだ?ゲーム内で通知が届いたけど。あと目は見えないけど通知は見れるんだ、不思議だな。とりあえず開くか。
-織田信長の特殊能力が発動されました-




