表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

出会い

雨が降る夜。一人彷徨い歩く娘がいた。

その娘はひどく絶望していた。

もう人間の事は信用できない。

そんなふうに思っていた。

少女は公園のベンチで静かに眠りについた。

真夜中深夜2時、唐突に目が覚めた。

見ると男が私にさわろうとしていた。

私はとっさに飛び起き身構えた。

「起こしてごめんよ。 そんなににらまないでくれ。怪しい者じゃないんだ。」

見てみるとそこには緑色のTシャツ、赤いズボンの男がいた。

怪しくないと言えば怪しくないが今少女は誰のことも信じられない状態にあった。

「私に構わないでください。」

「・・・」

男はそのままどこかへ行った。

少女は胸を撫で下ろしまた静かに眠りに入った。

三十分後、再び男が現れた。

少女は気づいてなかったが男は少女の頭付近まで近づいた。

ガシャン

少女の頭の横に食べ物の入ったトレイを置いて男は再び闇に消えていった。


朝起きると少女は横にあるトレイに気づく。

一瞬躊躇したもののまもなくトレイの中の食べ物を食べ始める。

2日ぶりの食べ物とあって勢いよく食べた。

少女は確かに人のやさしさを感じたのである。

おいしい。ただそう思い少女はカレーライスを食べた。

 


一日過ぎてまた夜。少女は昨日の男を待った。

一言会って御礼が言いたかったのである。

昨日と違い8時半と5時間半速い時間帯に男はやってきた。

「やあ、今日はチャーハンを持ってきたんだ。」

「あの。ありがとうございます。」

少女はありがとうを言えたことに対して安堵した。

トレイが少女の横に置かれた。

少女は男の横で勢いよくトレイに入っているチャーハンを食べ始めた。

1、2、3すくいと勢いよく食べ始める。

気づけば少女は泣いていた。

こんなにやさしい人がいるのか、という驚きもあって顔をぐしゃぐしゃにしながら食べた。

勢いよく食べたのもあって2分ほどでチャーハンをペロリとたいらげた。

「明日はもっとおいしいものもってくるからね」

男はそう言うと闇夜に消えていった。


次の日の夜。

少女はいつもの公園の席から立って男を待っていた。

だんだんとこの時間帯が楽しみになってきているのである。

男は現れた。

今日は白米の上に10個の唐揚げが乗っている唐揚げ定食だ。

これも少女は勢いよく食べ始めた。

朝飯、昼飯と食べなくても晩飯があるという少女の心にゆとりが出来ているのである。

少女がホクホクと食べている間に男は口を開いた。

「よかったらなんだけどさ、うちにこない?」

少女は固まった。

男の事は心を開きつつあるが、同棲となれば別だ。

少女はすぐに返事が出来なかった。

「すぐに返事はいらないよ。日を改めてでいいから。」 

少女はトレイを置いた。

「ごめんなさい。一緒には住めない。」 

「そっか。」

男はトレイを見ながら言った。

「唐揚げは美味しかった?」

「はい・・・凄く、美味しかったです。」

よかった・・・と男は安堵の表情を浮かべて最後に言った。

「明日ももっと美味しい食べ物持ってくるからね。」



それからというもの、男は毎日美味しい食べ物を少女のもとへ持ってき続けた。

1週間、2週間、3週間と経ち最初は少女も申し訳なさそうに食べていたが、1ヶ月が経った所から明るい表情がみてとれるようになった。

「持ってきたよ。」と言うと、

「ありがとうございます〜。」

と満面の笑みでご飯を食べた。

丁度2ヶ月が過ぎた頃、彼女からお話があった。

「ガハマさん(男の名前)の所へ行ってもぜんぜん良い感じになってきました。」

うれしい返事だった。

「じゃあ、行こうか。」

「はい。」

こうして彼女は僕の家にきた。


「あそこが寝室で、あそこがキッチン。」

男は一個ずつ部屋を説明していく。

「基本くつろいでいてくれていいから。」

少女は帽子を被っていた。すこし裾が長めのベレー帽だ。

「そのベレー帽もここにかけて。」

少女は反射的に手に帽子を握ったが、意を決っしたかの表情になり帽子を脱いでみせた。

猫の耳がぴょんぴょんと2本でてた。

そう彼女は猫の獣人だったのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ