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第24話 陳留攻略1

「う~ん。陳留には、防衛軍が多くいるのね……」


「最終防衛ラインと、考えているのかもしれません」


「特攻じゃ~! 敵将を討てば、兵士数など関係あらへん!」


 う~ん。

 負けないように戦いたいな~。

 それと、羅憲(らけん)君……。君は、防衛の名手だったよね?


 とりあえず、陣地形成からだな~。

 川を防衛線にして、馬防柵を作って行く。

 背水の陣などは、行わないよ。


 ちょくちょく妨害が来るけど、その度に騎兵を出して追い返す。包囲して殲滅もする。

 こうして、陣地ができ上った。



「敵の大将は、だれ?」


鄧艾(とうがい)鍾会(しょうかい)郭淮(かくわい)です。総大将は……、郭淮でしょうな」


 うわ~い。蜀漢国の天敵だ。

 15年くらい早いけど、もう出て来たか。





 とりあえず、にらみ合いになった。

 互いに防衛を選んだんだ。


「呉国は、どうなってるの?」


「徐州に攻め込んだようです。今ならば、柴桑(さいそう)も落とせます」


 う~ん。孫権が本格的にボケて来たな。

 史実よりも速いかもしんない。

 蜀漢国に土地を取られる前に、先に動こうって思考が読み取れる。蜀漢国が、呉国に攻め込むとは思っていないみたいだ。


「匈奴は? どうなっているか、分かる?」


「……魏国軍が防衛している模様です。本格的に攻勢に出ているみたいです」


 話を聞くと、毌丘倹(かんきゅうけん)文欽(ぶんきん)が、守っているらしい。

 本来であれば、司馬昭君に負けるんだけど、優秀だったのかもしれない2人だな。


「兵糧は、あるよね?」


「数年は戦えます」


 内政頑張って良かったよ。


「そんじゃ、各地にハラスメント攻撃をしようか」


 春秋戦国時代の、伍子胥(ごししょ)の戦法を真似る。

 出兵したり、戦わないで戻ってきたりすれば、標的にされた都市は、騒乱状態になる。

 油断しきっている都市は、落としてしまってもいい。


「そんじゃ、羅憲(らけん)君。よろしくね」


「任せたもんせ!」


 ここからは、我慢比べだな~。





 趙統君も防衛の構えだ。

 蜀漢としては、戦線は二ヵ所だけど、魏としては、五ヵ所かな? 耐えられるんかね?


 羅憲(らけん)君が出兵すると、近くの城は、逃げ出してしまった。

 どうも、兵士不足なようだ。

 兵糧も残っていないらしい。

 魏は、陳留だけに固執しているようだ。

 いいとも、悪いともいえないな~。


 ここで郭淮が動いた。

 背後にいる、徐州に攻めかかっている呉軍の背後を突いたんだ。

 呉軍は、慌てて撤退をする。下邳(かひ)城は、落とせなかったみたいだ。


 この間に、陳留を攻めるけど、ビクともしなかったな。正面切っての攻城戦は、やっぱ俺には不向きだ。

 もうちょっと、策を練るか……。



 ここで、連絡が来た。


「魏国内で反乱? 王淩(おうりょう)令狐愚(れいこぐ)? 楚王の曹彪(そうひょう)を擁立?」


「はっ。寿春で反乱が起きました」


 あ~、【寿春三叛】のうちの一つか。王淩(おうりょう)君は、中央に呼ばれなかったのね。

 記憶を辿る。

 『皇帝曹芳(そうほう)は、君主としての器ではない』と言って、反乱起こしたんだっけ。

 寿春で三回反乱が起きるけど、その最初なんだよな~。残り二回は、反乱起こす人が中央にいんだし、起きないよね。


「陛下! 偽計の可能性も考えてください! あからさま過ぎます!」


「うん? 本当の反乱じゃない? 楚王を立ててんだし」


「「「えええ? 何故確信を持っておられるのですか?」」」


 まだ、不穏分子が残っていたか……。

 ――煽ってみるか? 協力?


「でもな~。曹彪(そうひょう)を立てちゃうと、後から邪魔になるな~」


 俺は、地図を広げた。


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