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17.逃げ場のない私



 ――場所は、2年1組の教室。

 先ほど矢島さんが校庭から朝陽に愛の告白したことによって、私の教室内はその話題でもちきりになっていた。

 そのド派手なパフォーマンスは、クラスのほとんどの生徒が窓から顔を出してその様子を見守っている。もちろん、私もその一員に。


 最初は冷やかしていた声も、彼女の熱意に押されてしまったのか、途中から黄色い声援に変わっていた。

 まるで、私と朝陽の1年間が一瞬で無にされてしまったかのように……。

 


「沙理、加茂井くんがヘッドホン矢島に狙われてるよ?」


「えっ……、あ、あっ、うん……。朝陽とはもう別れたからいいの……」


「えぇ〜〜っ? そうなのぉ〜?? 全然気づかなかったぁ〜」


「……」


「だから矢島さんは加茂井くんを狙ってるのかなぁ〜」


「……さ、さぁ」



 朝陽とは1年付き合っていたから、誰もが私達の交際を知っていた。

 だから、彼女が起こした騒動によって、親しい友達にしか伝えていなかった朝陽との別れの件を自ら公にしなければならなくなった。

 浮気女のレッテルを貼られたくないから、自然消滅したように見せかけて少し時間を空けたら大地との交際を公にしようと思っていたのに……。


 人前で堂々と告白をしている彼女を見ていたら、大地と校内でひっそりと会ったり、校内にいてもわざわざ電話でやりとりしている自分がバカバカしくなった。

 まるで、私が浮気されて振られたような雰囲気に納得がいかない。



 朝陽も朝陽で、見せつけてくる。

 矢島さんと階段の踊り場でキスをしていたり、いまこうやって黄色い声援に包まれながら手を繋いで校庭を歩いていたり。


 私には関係ないと割り切っていても、彼女の存在は踏んだガムのようにへばりついてくる。

 直接話したことがある訳じゃないし、接点なんて以ての外。

 なのに、どうしてこんな嫌がらせをするのかな。


 ――なんか、ムカつく。



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